第2回 洋菓子あれこれ
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    ◆座談会参加メンバー◆


    ◆ 伊藤葉子(米国・ロサンゼルス在住)
    ◆ マイアットかおり(フランス・ビアリッツ在住)
    ◆ 西川桂子(カナダ・バンクーバー在住)
    ◆ ツムトーベル由起江(ドイツ・キール在住)
    進行係
    いそのゆきこ(甘辛国在住)

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    【進行係】
    ところ変われば品変わると申しますが、御菓子も様々、それぞれの地に味わい深い特徴があるようです。まずは、かおりさんのお好きなレープクーヘンからご紹介いただけますか。

    【かおり】
    えーと、レープクーヘンについてですが、私も詳しくは知らなくて、もっと教えていただきたいからここに参加したくらいです。ドイツを訪ねた友人がおみやげに買ってきてくれたのでそれにはまって……なんと一袋20個くらい入っているのを1週間くらいかけて一人で食べてしまったのです。バイエルン州のニュルンベルク(中世から開けていた街、第二次世界大戦前後のニュルンベルク法やニュルンベルク裁判で知られている)にあるシュミットという老舗のレープクーヘンで、友人が1ヵ月後に賞味期限を気にしながら持ってきてくれたのに、すごく柔らかくておいしかったのです。これは製法に関係があるのだなあと思いました。蜂蜜とかナッツが入っているようでしたけど、友人の話では、チョコの入っているのが一番おいしいのだとか。私がいつも食べていたレープクーヘンは決まって大判焼きくらいの大きさの蜂蜜がたっぷりと入った焼き菓子でどちらかというとケーキよりも固めで砂糖のコーティングが必ずついて いる、というのが印象です。これがお決まりなのかどうかは分かりませんが、チョコレートやドライフルーツが載っているものもありそうでした。

    【桂子】
    レープクーヘン、見てみたいです!是非、画像と一緒に。


    【伊藤】
    見たことはありませんが、もう食べたくてしかたありません。


    レープクーヘン
    【かおり】
    ドイツには夫の両親が住んでいたこともあり、クリスマスには必ず送ってきてくれていたのですが、この友人が買ってきてくれた「ドイツ一うまい」というシュミットのレープクーヘンにはとてもかなわない出来でした。


    【ツムトーベル】
    レープクーヘンはドイツのアドベント(待降節とも。クリスマス前の約4週間)とクリスマスには欠かせないお菓子です。ケーキを意味するクーヘンという名前がついていますが、かおりさんのおっしゃるとおり焼き菓子で、日本で言うソフトタイプのクッキーというところでしょうか。小麦粉と蜂蜜が原料で、ポイントはそこに混ぜるスパイスです。クローヴ、ナツメグ、コリアンダー、カルダモン、アニス、シナモン、生姜が主なのですが、これらがなんとも言えない香りを醸し出して、レープクーヘンのパッケージを開けたとたん「今年もこの季節になったのね〜」と言わずにはいられなくなります。


    【かおり】
    ドイツの童話で育つ日本人にはヘンゼルとグレーテル(グリム童話)のお菓子でできた魔女の家がおなじみですよね。あれもレープクーヘンの生地で出来ているらしいです。それをクリスマスに作るらしくって…可愛らしいですよね。とってもおいしかったです。それの代わりに毎年ドイツからクリスマスにレープクーヘンが 送られていたのだと思いますが、レープクーヘン自体もクリスマスに食べられるのかどうかはドイツに住んでいないのでよく分かりません。


    【ツムトーベル】
    ドイツでは先ほど言ったクリスマスとそれを楽しみに待つ4週間に、レープクーヘンや自分で焼いたクッキーを食べます。それから独特のスパイスをきかせた熱いワイン「グリューワイン」を飲みます。調べてみると、お菓子やワインに加えるスパイスには消化を助けたり、体を温めたりという効果があるものが多いので、単に香りを楽しむだけでなく、寒さの厳しい季節を元気に乗り切る昔のドイツ人の知恵が活きているのかな、と考えたりもします。


    【かおり】
    ドイツのお菓子はヨーロッパの乾燥した空気に長時間触れていても固くなったり質が変ったりしないようにとても工夫されていると思います。私がフランスのお菓子を好きでない理由はそれが原因かも。フランスのお菓子はすぐに固くなって品がないというか…繊細でないような気がします。クロワッサンも翌日はカチカチ。タルト生地もおいしくない。


    【桂子】
    乾燥というのは、目から鱗でした。


    【ツムトーベル】
    それは品質によるのではないでしょうか。ドイツのお菓子でもすぐ乾燥したり、逆に湿気たりというものもあります。伝統的な製法に誇りを持って作られているお菓子はパッケージにも工夫をこらしてあり、長く美味しく食べられるようです。


    【かおり】
    それとも日本のお菓子で育つとおいしくないと思うのでしょうか。どうしてもふわふわな日本のケーキの基準で考えてしまうんでしょうか。うちの夫はイギリスで育っていますが、日本のケーキは空気ばかりで甘くなくておいしくないといいます。好みもあるでしょうけど、みなさんはやはり日本のケーキがおいしいと思われますか?それとも海外生活の長い方はそろそろ日本のケーキでは物足りないと感じる方いらっしゃるでしょうか。日本のケーキのルーツはドイツ菓子にあるのでしょうか、チーズケーキはてっきりフランスが発祥の地と思っていましたが、フランスのチーズ売り場で買うチーズケーキでおいしいものにはお目にかかったことがありません。はちみつをかけても食べられない。それに引き換え、ドイツのチーズケーキ、ケーゼクーヘンとかはまるで日本のケーキみたいでしたよ。フランスのチョコレートケーキも心からおいしいと思ったものはあまりありません。唯一おいしいと思ったのはフォンダンショコラくらいでしょうか……。日本のお菓子屋さんはこぞってフランス語の名前をお店につけるので日本のお菓子技術はてっきりフランスから来ていると思っていたのですが、フランスに来てからどうもそれが疑問に思えてきました。みなさまはどう思われますか?


    【ツムトーベル】
    私もまだ”日本のケーキ美味しい”派です。パリで憧れのフォションのケーキを食べたときは、味の薄さにがっかりしました。ドイツで食べるケーキはほとんどが甘すぎて口に合いません。自分の好みに合うケーキ屋さんを見つけるのにずいぶん苦労しています。どうしても好みのものがみつからなければ自分でつくってしまいます。私が思うに日本人は応用がうまいですね。ケーキ作りの基本技術はフランスやドイツから輸入しているかもしれませんが、それを日本人の口に合うように進化させている気がします。


    【桂子】
    バンクーバーというところは、中国系の移民が香港返還から随分、増えたんですよね。で、香港に住んでいた友人(日本人)によると、彼らは日本のものが好きで、日本風のふわふわで甘みを抑えたケーキも人気。ということで、中国系のケーキ屋に行くと、日本ほどこったものでなくても、ちょっと似た感じのケーキが 売っています。私がこちらになれたというより、こちらの人がこういう甘みを抑えたものに慣れてきているような気がします。ただし、種類が日本ほど豊富じゃないんですよね。前出の友人が子どもの誕生日パーティをしたときに、ケーキを中国ベーカリーのケーキにしたら、不評だったと聞きましたが、もしかすると私が付き合っている人たちがたまたま …なのかもしれませんが、白人でカナダで生まれ育った人のパーティでも、この中国ベーカリーのケーキが登場して、みんなおいしい、おいしいと夢中で食べていて、びっくりしました。私も日本のお菓子屋のフランス語のケーキはフランスが発祥の地だと思っていました。フランスならああいうのが食べられるんだろうな。しばらく行っていませんが、モントリオールで食べたケーキはちょっと日本で考えるようなフランス風ケーキで繊細な外観で、その上、美味しかった記憶があります。


    【伊藤】
    私がロサンゼルスに移住した頃、アメリカのケーキは”大きくて甘いだけ”でした。桂子さんのよう日本的な洋菓子が買える中国系の店に行っていました。ただ桂子さんと同じで、モノによっては”ふわふわ”しすぎています。最近では、アメリカの御菓子がかなり進歩しています。もう、中国系や日系のお菓子屋では、ほとんど買わなくなりました。今ロサンゼルス周辺ではカップケーキに注目! 

    私が好きなのは、セレブのオプラ・ウィンフリーやパリス・ヒルトンが大ファンだという店のカップケーキです。値段は普通の店の2倍ほどします。ほどよい甘さで、上のフロスティングがすっと口の中で溶ける感覚がたまらない。オプラの大好物であるレッド・ベルベットという種類は、特においしい。日本人のファンも多いですよ。店の人いわく、できる限り新鮮でオーガニックの素材を使っているとか。 カップケーキを何個も組み合わせて、大きなケーキに見せかけたタイプのウェディング・ケーキも人気だそうです。そういえば、子どもの誕生日でも、大きなケーキより、カップケーキを配る場面によく出くわします。


    【桂子】
    へぇ〜! カップケーキが進化しているんですね。侮れませんね。子どもの誕生日のケーキでふと思ったのですが、皆さんの国ではどんなケーキですか?バンクーバーは大人ならちょっとオシャレなチーズケーキなども登場しますが、子どもの誕生日パーティの場合は、一番人気はアイスクリームケーキです。


    【かおり】
    カップケーキもアイスクリームケーキも北米ならではですね。私の考えているチーズケーキは日本のチーズケーキあるいはドイツのチーズケーキで、フランスのチーズとは印象がちょっと違いますがおいしくないという言い方は違うかな。フランス人にとってはおいしいのでしょうから(笑)。わたしは乳臭いのが苦手なのかも。


    【ツムトーベル】
    お話しを聞いていると、北米ではケーキの好みが変わってきているのですね。その点、伝統を重んじる(?)ヨーロッパはまだ遅れている気がします。太りすぎを気にする反面、甘ったるいお菓子を変えていこうという風潮は残念ながらまだありません。こうなったらこちらでケーキ屋さんでも開こうかしら?(笑)それと、子どもの誕生日はどこの国にいても大変そうですね。誕生日のある季節にもよりますが、ドイツでもカナダのようにアイスクリームは人気ですね。果物やナッツの入ったケーキを気張って作っても、嫌いだとかアレルギーがあって食べられないとか難しい点があるので最近はケーキにあまり力を入れなくなってしまいました。大体軽い夕食まで出すことが多いので最後にバーベキューをしたりホットドッグを作ったりします。


    【進行係】
    バンクーバーには、野いちごやこけもも、メープルシロップをふんだんに使った美味しい御菓子があるのではありませんか。お母さんはビスケットなどもよく焼かれるのでは。

    【桂子】
    メープルシロップはパンケーキにかけるとか、あと料理に使ったりしますが、ケーキにはあまり登場しないですね。美味しいと思うのは、夏の間のベリー類のパイです。残念ながらクランベリーのパイはあまり見ませんが、チェリーパイ、ブルーベリーパイ、なぜかわからないのですが、イチゴはルバーブという果物と一緒にストロベリー・ルバーブパイ、それからブラックベリーが多いのでブラックベリーパイ、ピーチパイ、今はパンプキンパイ。 義母はビスケット(スコーン)は苦手なのか、あまり焼かず、マフィン、キャロットケーキ、ブラウニー、バナナブレッド。それから彼女オリジナルのお菓子がいくつかあります(ちょっと甘め)。意外だったのが、お菓子屋には売っていますが、 チーズケーキを焼く人はあまりいないかな。


    【伊藤】
    やはり、カナダとアメリカは似ていますね。こちらでも、新鮮な果物を使ったパイは豊富です。今の季節なら、シナモン風味のパンプキンパイが出回ります。アップルパイは、米国の代名詞ですよね。今の季節なら、こちらの黄色くて大きいかぼちゃを使った、シナモン風味のパンプキンパイが出まわります。チーズケーキファクトリーのような専門店があるように、チーズケーキもよく食べられていると思います。


    【ツムトーベル】
    ドイツでもケーキの種類に旬が感じられます。初夏から秋の初めにかけていろんなベリーや果物を使ったブレッヒ・クーヘンというのが登場します。生地をオーブンの天板(=ブレッヒ)全体に広げ、上にプディングや果物をたくさんのせ焼いただけのシンプルなものです。ケーキ屋さんにもありますが、パン屋さんで売っていることが多く、普段使いのケーキという感覚で、みんな気軽に買っています。


    【進行係】
    洋菓子もヨーロッパにそのままいて、何百年も姿形、味を守り続けているのもあれば、遠く別世界に紹介されて、変化し、それがまた他に広がって行っているのもあるのですね。甘いお話、ありがとうございました。

    カテゴリ:『地球丸座談会』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    第1回 日本再発見!
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      ◆座談会参加メンバー◆

      ◆ホスト:椰子ノ木やほい(米国・ミシガン州在住)
      1997年家族でサモアに移住。南太平洋の小さな島国で4年間のシンプルライフを経験。2001年より米国ミシガン州在住。日本を離れてから10年が経つ。 

      ◆郷らむなほみ(カナダ・オンタリオ州在住)
      日本と赴任地を行ったり来たり…が理想のはずだったのに、1991年に今の夫と結婚以来、赴任で東京に数年住んだのみ。サトガエリ? 何ですか、それ? という今日この頃。

      ◆夏樹(フランス・パリ在住)
      1988年に渡仏。最初の10年はまったく帰省しなかったが、5,6年前から毎年帰国している。

      ◆メイフェ(台湾・台北在住)
      1992年に夫の転勤で台湾へ。1996年フィリピンミンダナオ 1997年シンガポール2001年から現在まで再び台湾での生活。アジアを転々と今年海外生活16年目。

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      【やほい】
      私は日本に帰るたびに、電車のホームで走ってしまう人たちや、歩く速度の早さに圧倒されます。時間が早回しで過ぎているようにさえ感じるのですが、ここにいる皆さんは、今お住まいの国、もしくは今まで住んだ国に比べて日本の時の流れる速さをどう感じますか?


      【郷らむ】
      絶対早過ぎ。ついていけないです。
      とはいえ、最後に帰ったのはもう3年くらい前でしょうか。
      今も早いのかな?


      【夏樹】
      私はこの夏、帰りました。

      確かにみんな急いでいるというか、忙しがっている。
      「もう、最近忙しくてね」っていうのは、挨拶の代わりなのかな? 何もすることがない人でもそう言っているところがおかしかったです。

      技術的なことは、ものすごい勢いで変わっていて、びっくり。
      でも、その傍らで、人間は、そんなに変わってないような感じがしました。

      たとえば、電車の切符の買い方が、ハイテク化されていても、わからなかったら教えてくれる係員の人が待機してくれているところなど、いいなって思いました。機械の横に、生身の人間の存在がきちんと感じられることに感心。

      フランスは、いろんな分野で機械化が進んで、銀行や切符売り場が無人化しつつありますが、それはもう、「自分でどうにかしろ」と言わんばかり。
      機械の前に人間をこういう形で放り出すのってほんとうに暴力的だと思います。


      【メイフェ】
      同じアジア圏ということもあって台湾と日本は似ているところもとても多いのですが日本に帰るとなぜか街が気忙しくて、追い立てられているような緊張を感じます。


      【やほい】
      それでは、日本を離れているうちに、日本のこんなところが変化して悲しいとか、気になるということがあれば。


      【郷らむ】
      悲惨な事件(殺人、傷害、自殺など)が多いような気がします。
      日本って、もっと平和だったような…。


      【夏樹】
      それはそうですね。
      ただ、新聞の三面記事とか、テレビでそういうことを話題にしすぎって感じました。
      こういう事件って、話題にすればするほど、ひとつの選択肢として存在してしまうでしょう。そうすると、それを選ぶ人も増えてしまうと思うんです。たとえば、私が滞在している間に、「ネットで出会った人々が集団自殺」というニュースがあったけれども、「どうやって自殺したか」まで細かにプライムタイムに説明するのは余計なこと。その人の死に様は、プライバシーに関わることだと思います。


      【メイフェ】
      夏樹さんに同感です。テレビなどを見ていても報道の過剰さを強く感じます。こんなに事細かに一つの事件いろいろな角度からテレビで朝から晩まで繰り返し流していたら、模倣犯を作っているようなものだし、子供たちにも要らない情報を与えているとも思いました。


      【やほい】
      逆に、日本はやっぱりここがステキと思うところはどうですか?


      【郷らむ】
      エコ意識が強いところ:
      ゴミ、ちゃんと分別しますよね?
      リサイクルも進んでいるし、第一、もともと日本の伝統的な家って、全て自然素材で出来ているじゃないですか。スゴいと思います。


      【やほい】
      確かにスゴイですね。日本滞在中、私がいろんなものをお構いなくゴミ箱に捨ててしまうものですから、母はずっとゴミ箱を“検閲”しては分別しておりました。(笑)

      息子(16)はアメリカに戻り、アメリカ人の友達に「日本ではマクドナルドでさえ、ストローや蓋、カップをちがうゴミ箱に分けて捨てるんだ」と説明しているのに笑えました。よほど面食らったのでしょう。もっと他に伝えることあるだろうに……。 


      【夏樹】
      あれはすごいですね。
      エライと思いますが、私はついていけません。
      複雑すぎて。
      ペットボトルの蓋とボトルと紙に分けるってのは参ります。

      そう考えると、エコ活動にも、それぞれ得意分野があるんだなって思います。
      フランス(パリ市内)では、リサイクルできるものとできないものに分ける、その二種類の分別がいまだにできない人がたくさんいるんです。

      でも、彼らは遺伝子組み換え食品反対運動とかではかなりラジカルな戦い方をする。
      ゴミの分別は苦手だけれども、身体を張って畑を守ることは得意なようです。


      【郷らむ】
      食べ物が豊富で美味しいこと:
      世界中のいろんな食べ物がある!食へのこだわりって、良いなあって思います。カナダ人って、食事は「餌」くらいにしか考えてないと思うのですよ…。

      四季があること&その行事があること:
      今は一年の半分が冬の国。前任地は一年の半分が夏。そして、季節ごとにいろんなイベントがあるって良いですよね。節目や季節の変わり目、気持ちを引き締めるのに効果的だと思います。


      【夏樹】
      私がステキだと思うのは、日本人の「老い方」。
      お年寄りの物腰、話し方。
      人間がきれいに枯れていくことができる環境があるのかな?

      フランスでは、「老いる」ということの価値がゼロ。
      昔はそうではなかったのかもしれないけれども。
      その辺は、深く考えたことがなかったからよく知りませんが、
      お年寄りをカッコイイと思う人っていないと思う。

      でも、日本では、着物着て、腰が曲がったおばあさんが美しいし、周りの人も、そう思っているのではないかしら?


      【メイフェ】
      四季があってその季節季節で同じ風景が美しく変わっていく様子は日本の素晴らしいところだなと思います。
      あと交通機関、特にバスが人に優しいです。
      時刻表があって時刻どおりにバスが来るのがすごいです。またバスに乗った時に乗客がちゃんと乗車したのを確かめてから運転手さんが「発車します、よろしいですか?」「次は○○へ到着いたします」とひとつひとつがものすごく丁寧で驚きます。

      台湾ではバスは乗ったか乗らないぐらいで発車しますし、運転もとても荒くバスの時刻表も「15分から20分に1本」とかなりアバウトな上に、それどおりにも来ないこともしょっちゅうです。


      【やほい】
      では、まったくの個人的興味ですが、帰省していちばんおいしいと思う食べ物はズバリ何ですか?


      【郷らむ】
      櫃まぶし。お茶漬けが特に!
      コンビニ弁当の質の高さに、驚かされっぱなしだったのを覚えています。


      【やほい】
      名古屋と言ったら“櫃まぶし”というぐらい名古屋名物になっていて驚きました。これもマスコミの効果なのでしょうか。


      【夏樹】
      すべて。三食が待ち遠しい。あえて言えば、ウニ弁当。


      【メイフェ】
      お豆腐です。
      台湾もお豆腐料理があり、お豆腐も普通にスーパーで売っていますがやはり大豆の味がしっかりしたお豆腐は日本が一番です。


      【やほい】
      いちばん最近の帰国で、初体験したことは?またそれについて、どう感じましたか?


      【郷らむ】
      うーん。何でしょう。特に初めてってことは何にもしなかったような…。


      【メイフェ】
      電車の中でフルメイクをする女性を見ました。
      お化粧をする人を見たのは初めてではなかったのですが下地に始まり、ファンデーション、アイライン、マスカラ、口紅と、あれにはびっくりしました。さすがに周りの乗客も興味津津で見ていましたが、それにびくともせず、恥ずかしいという感覚がゼロなのか、恥ずかしいという行為ではないと思っているのか思わず「ドッキリ番組」かなにかの企画なのではないかと思ったほどです。


      【やほい】
      私も一昨年帰国したときに、女性専用車両の地下鉄でお化粧を始めた女性を見ました。同じ女性としてかなりショックでしたよ。でもその後で、ファミレスの長いすで料理を前にヘアーブラシでずっと髪をとかしている女子高生を見てからは、「日本はもう変ったんだ」と思うようになりました。「お行儀が悪い」という観念がなくなったのでしょうか。


      【郷らむ】
      私が気になったのは、自分の脳でしょうか。
      いろんな国に住んで、日常生活に日本語でない言葉を聞くのが当たり前の暮らしに慣れすぎなのか、考えなくても分かってしまう言葉がどんどん耳から入ってくると、すごく疲れる…。
      例えば、バスや電車に乗り合わせたり、駅やデパートなどの人ごみで、よそ様が話している内容がガンガン私の頭に染み込んでいくって、かなり苦痛だなあと感じました。

      今は仏系コミュニティーにいながらほとんど英語の暮らしですが、それでも聞きながら意味を考えつつ理解しています。タイ語も広東語もアラビア語もフランス語も、片言は分かりますが、あくまでも私にとってはバックグラウンドミュージックみたいなものですから…。

      皆さんは、そんな経験ないですか?


      【夏樹】
      あります!
      でも、どっちかというと、文字がものすごくリアルに迫ってくるのが疲れました。
      広告の文字とか。全部読みたくないのに、目が勝手に全部読んでしまうみたいな。

      私にとってフランス語は日常ですが、夜11時以降はわからなくなりますね。
      脳のシャッターが降りてしまう、店じまいという感じ。
      日本語だとそれがないので、疲れるっていうのはありました。


      【やほい】
      確かに……。母国語じゃない世界にいるって、知りたくないことは聞き流しやすいというか無視しやすいですよね。


      【メイフェ】
      私も日本にいる時は、すべて周りの会話の日本語が耳に自然に入ってきて、なおかつその日本語がとてもとても汚かったりするので、聞いていて気分が悪くなって疲れます。(笑)


      【夏樹】
      初体験というか、初めて気づいたことは、新幹線でお弁当を売りに来てくれる女性とか、スチュワーデスさんとか、レストランのウェイトレスさんとかが、とても不思議な声で話していること。地声でなくて、仕事用に作った声というか。

      ああやって声を変装して、制服を着ると、自分の日常から抜け出て、仕事用に変身できるのかもしれませんね。

      声のトーンがTPOによって変化したりするのが普通というところがおもしろい。

      だから、仕事中に個人的な機嫌の悪さとかを剥き出しにしなくてすむというか、
      なかなか賢いと思いました。


      【やほい】
      夏樹さんのポイントは、おもしろいですね。言われてみるとそうですね。自分であって自分ではない、言うなれば演じているのかもしれません。昔、よくデパートには、エレベーターガールがいましたが、独特の語り口でしたよね。昔は「そういうものだ」と思っていたので気にもなりませんでしたが、日本を離れているうちに、そうした枠がなくなって、違和感を覚えたり、気になってしまったりするのでしょうか。

      日本ではない国に住むようになり、気づかないうちに、日本にいた頃の自分とは違う視点を身につけているのもしれませんね。だからこそ、帰国の度に新しい発見があり楽しいですね。


      カテゴリ:『地球丸座談会』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      プロバイダーの技?
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        「マイッタ!暮らしの中でみつけた技」
        文・ツムトーベル由起江(ドイツ・キール近郊在住)

         ドイツのインターネット・ユーザーの多くはプロバイダーのサポートに不満足だといわれる。カスタマー・センターの対応が悪いというのが大方の理由だ。私もネット接続に問題があれば日本との連絡や仕事もすべてお手上げなので、そのたびにカスタマー・センターとまさに「闘って」いる。最初の頃は、怒り心頭に発して電話を切った後、手にかいた汗で受話器はべとべと、息がきれてゼーゼー……という状態だった。最近では慣れもあり余裕も出てきて、プロバイダーの「顧客かわし技」が分析できるまでになってきた。その一部をご紹介しよう。

         まずは「待たせ技」。以前はいくら電話をかけても話し中でかわされたが、この頃は一応つながるようになった。しかし、始めの自動音声案内で苦情内容によるふるい分けがされ、何分かの待ち時間の後、一般担当者が出て、顧客番号やアカウントナンバーを聞かれ、また待たされ、やっとテクニカルサポート担当者にたどりつくまで、忍耐に忍耐を重ねて待つ。一説には、待たせて顧客の気勢をそぐのが狙いだとか。次に「たらい回し技」。担当者の肉声が聞こえると、顧客はこのチャンスを逃してなるものかと、抱えている問題をまくしたてるものだが、大抵一人目の担当者には「私はこの件の責任者ではないので、専門の者につなぐ」と冷たくあしらわれてしまう。一度など「専門家」が出てくるまで15分もかかり、あきれてしまった。

         そして「マニュアル技」。毎回聞かされる受け答えがそっくりなので、皮肉にもマニュアルを使った研修は行き届いていると言える。それはとりもなおさず親身になっていないということだ。一番よく耳にするのは「我が社のサイトにはトラブルシューティングのページがあり、ユーザーが自分で問題解決できるようになっている。こちらを試しても問題があるようなら再トライしてほしい」という答えだ。それも、こちらの状況説明にまったく耳をかさないでまくしたて、さっさと切ろうとする。はたまた、メールサーバーへのアクセス権を勝手に削除されたときなどは「この問題で困っているのはあなただけではない、同じような目に合っている顧客が大勢いるのだ」と、まるで文句を言っている私が大人気ないというような言われ方をされた。「気持ちはよくわかるが、この問題を引き起こした当事者は私ではない」という回答も笑える。当事者でなかろうと顧客対応をする担当者はプロバイダーを代表して話をしているのではないのだろうか。

         前出の自動音声では「このやりとりは、サポートセンターの研修などに使用する目的で録音されることがあります」という文句が流れるが、私の怒りに燃えた言葉の数々が研修に活かされる日がいつか来るのだろうか。日本のようにすぐ謝るのもどうかと思うが、せめて困っている私の話を真剣に受け止めて欲しいと切に願うこの頃である。

        ≪ツムトーベル由起江/プロフィール≫
        レポート・翻訳・日本語教育を行う。1999年よりドイツ在住。ドイツの社会面から教育・食文化までレポート。ドイツ人の夫、7歳の長男、4歳の長女、2歳の次女とともにドイツ北部キール近郊の村に住む。今年庭で大豊作のキイチゴで夫が毎日ジャム作り。私が作るよりずっと上手!
        カテゴリ:『マイッタ!暮らしの中でみつけた技』 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        娘の就職事情
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          「若者就職事情」
          文:増本昌子(カナダ・モントリオール在住)


           5月からケベック州での最低賃金が少し上がった。今までの時間給8ドルから8ドル50セントへと50セントアップした。ウエイトレス等の場合は1時間7ドル75セントとなった。顧客からのチップも収入と見なされ課税対象となることから、基本給は一般的な最低賃金より低い。

           ケベック州では約25万4千人の人たちがこの賃金体系で働いており、その多くが学生である。学業と平行して働く事は、「アルバイト、又はバイト」という観念ではなく「Job;仕事」と理解されている。若者にとって、学業と共に併せ持つ仕事も、彼らの人生設計のひとこまである。この場合の学業とは、専門職業訓練学校も含めて、ハイスクール以上の教育のことである。

           ケベック州の教育制度は、7歳で小学校に入学後15歳までが義務教育であり、16歳は大きな意味を持っている。親権が必要とされるのも15歳までである。16歳を機に、自分の意思で自分の人生を生きる権利を保障され(税金申告書の義務も発生するが)親も子育ての義務を完了する。多くの子供は、親からの自立をめざす。マクドナルドに象徴されるファーストフードチェーンストア、Retail storesといわれるショッピングセンターのさまざまなストア、スーパーマーケットなど、時間給で働きやすい業界は、学業と自活の両立を模索する若者にとって格好の職種である。そして将来、下記に添付した資料に挙げられている1時間20ドル以上の仕事への就職を目指して資格を身に付ける。(参考資料:CNNニュース

           我が家にはGraduate1年生の娘がいるが、Undergraduateの間、学期中は週末2日働き、夏休み中はほとんど毎日働いていた。上の記事と同じく最低賃金である。

           ケベックの大学は日本と異なり基本的には3年制である。大学入学前に、CGEPと呼ばれる課程がある為で、これは日本で言う高校3年生と大学1年生にあたる。日本でいう大卒はUndergraduateと呼ばれ、大学院卒がGraduateとよばれる。

           娘の学業はあと2年残っているのだが、2年後の就職がこの春すでに決定した。ケベック州全体で一斉に入社試験と面接が行われ、採用後正式に入社するまでの間、スケジュールを調整しながら学業と平行して仕事を覚えていく制度のようである。すべての職種で採用されている方法ではないが、日本では聞かなかった制度だ。

           娘は6月から、毎日10時間以上のリサーチに没頭し、週末も自宅でリポートを作成している。数人の先輩のアシスタントとして必要な書類を作成する事により、事例を覚えていく為だそうである。

           親としては学生の間は無理をせず、健康に気をつけて、ほどほどに勉強すればいいと思ってしまう。しかし、自分の将来を真剣に考えて精一杯行動しているわが子を見ると、学業の合間に仕事を両立させてきた事から得た自信が、自分の生き方を長期にわたって視野に入れることが出来るようである。

           6月からの2ヶ月間は毎日働き、8月はフランスに旅行する計画とのこと、時間給もかなりアップし、一歩ずつ確実に自立への道を進んでいる。


          ≪増本昌子(ますもとまさこ)・プロフィール≫
          自分の学生時代を思い出すと、娘の勉強に費やす時間は果てしなく無限に続くように感じられる。本人も「無期懲役だなぁ」と言いながら励んでいるが、「勉強しなさい」と言わないで済むことは幸せな事なのだろうか……。提出期日に間に合わず、徹夜をすることも青春の一こまである、と思っている私は母親失格かもしれない。

          カテゴリ:『若者就職事情』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          わが町の医療事情
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            「医者に言いたいこの一言」
            文:田中ティナ(スウェーデン/エステルスンド在住)


             パキッ! と股関節にいやな痛みが走ったのは一昨年夏の午後、ジョギングのあとストレッチングしているときだった。一両日で直るだろうと様子をみたが痛みは治まらず、いよいよ病院に行こうと決心した。

             わが町の医療施設には公共と個人機関があり、主力は税金などで運営されている公共医療機関。県によって異なるが初診料として140クローナ(約2500円)支払うと診療システムに組み込まれ、その後、莫大な費用はかからない。

             「熱っぽくって頭痛がする」、「足首をひねった」といった軽症者が専門医療機関に押しかけ、高度な治療を必要としている人々や救急患者の診療を妨げないようにと、体の異変を感じたときには、専門機関に駆けつけるのではなく、まず、自分が所属する地区診療所(住所によって割り当てられている)に電話で診療時間を予約するシステムになっている。

             さて、電話予約だが受付時間はウィークデーの午前と午後各1時間のみ。だからかければお話中で、やっとつながったかと思うと、当日、診療予約時間がとれるのは至難の業。ほぼ2、3日待ちというのが現状だ。

             地域診療所で私を診察してくれた医師は、専門医になる前の研修医だった。症状、過去の病歴や薬のアレルギーなど基本的な問診後、診察し専門医師の診断や詳しい検査が必要だと診断すると、これからの治療ステップを説明してくれた。

             「医学療法士とリハビリのトレーニングができるように手配して、その指示書を郵送しますから連絡を待ってくださいね。お大事に」と、にこやかに送り出されて帰宅。
             ところが、待てど暮らせど連絡がこない。痛みもひかず、不安も増してきた。催促の電話をかけると、事務手続きの不備があったらしく、さらに一カ月ほどして、ようやく約束の指示書が送られてきた。

             指示に従ってトレーニングジムの医学療法士を訪ね、今までの経過を説明すると、「骨が損傷していないか確認してからリハビリを始めましょう」と、とても丁寧に今後の方針を説明し、その場で、ジムが契約している個人的な医療機関を通じて総合病院にレントゲン撮影の手配をしてくれた。撮影したレントゲンを元に個人医療機関で医師の診断を受け、骨に異常がないことが確認できたのは、ジムを訪れてから1週間もかからなかった。
             
             緊急時は別だが心臓病、白内障、股関節などの手術は、通常、長い間順番を待つ。また、婦人科など定期健診の結果報告は、異常がなければ連絡はない。事務的な手間がはぶけて無駄はないが、「一言『異常ありませんでしたよ』と聞ければ安心できるだろうな」、と思うのは私だけだろうか?

             このように、公共と個人の医療機関での患者への対応の差は歴然だ。
             こうした現実の原因に、公共機関は医療設備、医者や看護婦などの慢性的予算不足と人材不足を理由に挙げる。また、設備の充実した大規模な病院は予算の潤沢な大都市に集中する傾向もあり、さらに、地域ごとに独立採算制だから人口の少ない地方の町に大病院がつくられることほぼはない。

             先日テレビを見ていたら、高等教育担当大臣が「国民の健康を守るために医師や看護師を育てる教育機関の整備は重要課題」と発言していた。が、近年、デンマーク、ポーランドやハンガリーに医者の勉強に留学するスウェーデン人が増加しているという事実がある。デンマークではスウェーデンと同じように教育費は自己負担なし。自国で勉強したいと思ってもそのチャンスがあまりにも少ないため、外国で勉強し、母国に帰ってスペシャリストとして仕事をするドクターたちが増えているのだ。

             病気や怪我のときには、体の不調とともに心の不安もつのるもの。
             お金がない、人材不足だから必要なケアが必要なときに受けることができないという悪循環が、一日も早く終わりになるように期待している。


            ≪田中ティナ/プロフィール≫
            エイビーロードのホームページでスウェーデン情報を発信中。この夏は19世に建ったサマーハウスの改築を計画している。2010年バンクーバーオリンピックもフリースタイルのジャッジとして協力予定。真剣勝負に挑む選手の演技に負けないように、ジャッジング技術の向上に努めることを決意。


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