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第3回 クリスマス
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    ◆座談会参加メンバー◆


    ◆うえのともこ(ネパール・カトマンズ在住)
    6歳、3ヶ月の男の子、ネパール人夫の4人家族です。

    ◆ 夏樹(フランス・パリ在住)
    1989年からフランスに住んでいて、13歳の男の子と仏人の夫と住んでいます。

    ◆ 増本昌子(カナダ・モントリオール在住)
    24歳の娘、88歳の母と3つ上の亭主との4人暮らしです。

    進行役
    ◆ 西川桂子(カナダ・バンクーバー在住)
    1994年からカナダ・バンクーバー在住。日本で暮らしたことのある夫と13歳、10歳、8歳と3児の5人家族です。

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    【西川】
    現在、バンクーバーではイルミネーションなどで、クリスマスムードが盛り上がっています。クリスマスは日本のように25日まででなく、お正月まで。中には年があけて1月6日の公現祭までお祝いしている人もいます。クリスマスは宗教色も強い行事ですが、皆さんが住んでいるところではいかがでしょう。


    【増本】ケベック州は約80%の住民がカトリックなので、クリスマスはかなり重要です。

    モントリオール市、ケベック市のような大きい町以外は今でもParoisseと呼ばれる教区が単位となって日常の生活が廻っています。

    町の人は教会離れが顕著ですが、それでもRéveillonと言って、教会でのミサは省略しても家族での食事はシンデレラモードです。大晦日は友人とのパーティで過ごしても、クリスマスは家族との時間を今でも大切にしています。親族一堂集まっての真夜中の晩餐会は珍しいことではありません。


    【夏樹】フランスのクリスマスは、ケベックとほとんど同じだと思います。

    でも、カトリック教徒は80%っていうのはすごいですね。フランスは、今調べたら、せいぜい50から60%ということです。そして約30%が無宗教。

    だから、昔は真夜中のミサに行くのが習慣だったようでうすが、今は、パリではあまり聞かないです。

    ケベックと同じように、クリスマスは家族で過ごし、大晦日は友人と過ごすのが習慣ですが、その習慣が嫌でたまらないという人が多くて、びっくりしたことがあります。

    大晦日は、人の家で大勢集って、ソファーに座って、あれこれと議論し、ダラダラと過ごし、除夜の鐘がなるとキスして、帰って寝て、1月2日はもう仕事です。


    【うえの】日本のクリスマス、お正月を過ごしたのはもう4年前になります。

    夫は「サンタクロース」という名前すら知らず「クリスマスマン」と呼んでいて、こっちが驚きました。ネパール人はヴィクラム暦を使っていますし、ほとんどがヒンドゥー教徒でクリスマスのことを知りません。

    でも、連邦共和国になり、今年からはクリスマスも祝日になりましたが、盛り上がるかどうか?というところです。


    【西川】
    クリスマスマンは可愛いですね〜。ネパールの人たちが、初めてのクリスマスをどんな風に過ごすのかも興味深いところです。

    カナダではクリスマスは、日本の若い人たちのように恋人と過ごす日ではなく、家族でお祝いするものです。帰省ラッシュもありますし、日本のお正月に近いと思っています。お正月はどんな感じですか。


    【うえの】
    ヴィクラム暦の元旦は西暦の4月の中ごろです。

    この頃に合わせてカレンダーやダイアリーも売り出されます。
    (今はヴィクラム暦の2065年8番目の月です) 

    その新年ですが、全然特別なことはしないんです。一応祝日だけどごく普通。カナダやパリよりもおそらくもっと通常モードです。 ほんとうに何事もないかのように。

    2月頃にあるチベット暦の元旦「ロサール」はシェルパ族をはじめチベット系民族間で盛り上がります。

    年の暮れや新年に仏教寺院で仮面ダンスが奉納されたり、晴れ着を着て親族が集まって、博打を打ったりとか。

    中国の旧暦と同じ時もありますが、干支は同じでも暦はちょっと違うらしいです。

    それより西暦の11月ごろにある「ダサイン」がヒンドゥー教最大のお祭りで、服を新調し、みな里帰りして親戚一同が会し、ヤギ肉を生贄してご馳走を作り、お小遣いをもらったり、凧揚げしたりします。日本のお正月そっくりでしょう?



    【西川】
    なるほど、ネパールの“ハレ”の日代表は、このダサイン。フランスやカナダでは、クリスマスと考えてもいいのかな。

    ハレの日の食事はどんな感じですか。我が家ではお馴染みの七面鳥がメインで、ホストになる家が用意してくれます。残りの女性陣でサラダとか、サイドディッシュを担当。デザートは義姉がイギリス系なので、クリスマスプディング。これが甘いんです!


    【増本】
    メニューは西川さんのところと同じ。今まではおじさんの家で家族そろって頂いたのですが、近年熟年離婚されて、こちらにも被害甚大! 私が作るはめに陥ったので、オーブンに入れるだけ、と言うスタッフィングも入った代物で間に合わせています……。

    それでも胸肉以外は誰も食べず、今は胸肉だけにスタッフィングの入ったものを買ってきます。(手抜きがバレタ!)


    【うえの】
    「ダサイン」ではヤギを生贄にするわけですが、家長が鉈を振り下ろす役。女子どもはその後の処理と料理担当。

    大体マサラをたっぷり効かせたカレーっぽいものを作ります。とにかく肉、肉、肉!それがご馳走。数日、肉しか食べない感じなんです。

    ちょこっとでも甘いデザートやさっぱりしたお口直し的なものが欲しいです〜〜。でもプディングは甘すぎみたいですね。


    【西川】
    うわぁ、ベジタリアンにはきつそうですね。

    ケーキ、デザートはどんな感じですか。


    【夏樹】
    ケーキは、ビュッシュ。丸太の形をしていて。プラスチックのサンタやら「メリークリスマス」と書いたお砂糖菓子が上にのっています。べつにおいしくないけど、こどもがいる人たちは、予約するみたいですよ。

    ただ、1月6日にエピファニー(公現祭)ってのがあって、ガレット・デ・ロワというお菓子を食べます。中にフェーブという瀬戸物の小さなお人形(伝統的には、マリア様、キリスト、聖人)が隠されていて、それに当たった人は、自分の相方になる王様か王女様を選んで、紙で作った王冠(お菓子と 一緒についてくる)をあげて、キスするという余興がつきます。

    このお菓子(パイ皮のお菓子。まさこさん、あれ、中はなんでしょう?)が、みんな好きで、「今年、ガレットが一番おいしい店は?」とか雑誌でやっています。また、おとなでも、中のお人形を集めている人とかもいるし。


    【増本】
    モントリオールではアーモンドクリームのたっぷり入ったマドレーヌがパイ皮の中に入っていると言った味です。調べてみるとアーモンドペーストを入れて、その上にカスタードクリームをのせる、となっていますね。


    【西川】
    ガレット、食べてみたいなぁ。お人形が入っているというのはかわいいですね!

    さて、楽しいはずのクリスマスからお正月にかけてですが、ここが苦手、面倒っていうところはありますか?


    【夏樹】
    とくにクリスマスは家族とだから、どっちのおばあちゃんのうちに行くか、そういうことでもめたり、欲しくもないプレゼントがゴミと化すことかな?

    11月末になると、「クリスマスどうする?大晦日、誰とする?」という会話が飛び交い、あれ嫌だな。絶対、祝わなくてはいけないみたいなところがあって。


    【西川】
    プレゼントはバンクーバーでも頭痛の種! できるだけ喜ばれるものを差し上げたいと思っても、必要がないものだったりするんですよね。子どもにはモノが増えるばかりだし、お年玉のほうがよっぽどいいと思います。

    それから、クリスマスプレゼントは、子どもだけでなくて、家族それぞれはもちろん、取引先やお世話になった人への感謝の気持ちを込めて贈るというところがあるので、”お歳暮”に近いとも考えています。


    【増本】
    ほんと、西川さん、お歳暮的ですね。すごくぴったしかんかん(ぎゃ、化石語!)でも日本の基準からするとあげる物はもっと庶民的かも。

    ドクターのセクレタリーや郵便屋さん、街角の交通整理をする登下校のガードマンさんとかにも感謝の気持ちをこめてプレゼントします。郵便屋さんやガードマンには5ドルくらいのチョコボックスと一緒にカードと現金をプレゼントします。


    【夏樹】
    フランスでも、郵便屋さんとか、管理人さんには、ちょっとした金額をポチ袋に入れて御礼します。

    プレゼントですが、こちらではクリスマスの日、24日の夜に一緒に過ごす人全員だけに用意するみたいですよ。取引先やお世話になった人全員にまで、プレゼントを用意したりはしないな。でもカードは出します。


    【西川】
    じゃあ、フランスでは、カナダようにお歳暮的なところはないんですね。ちょっとうらやましい。


    【うえの】
    プレゼントの習慣も毎年になるとプレッシャーで、好みに合わない無駄なもの買ってしまいそうだし、みなさん誰に何を送るか、誰とどこで過ごすか、うーーん、大変そうですね。

    でもたまに華やいだ気分でお買い物もしてみたいような。


    【西川】
    最後に、皆さんの国のクリスマス、お正月のここが好きというものがあったら教えてください。


    【増本】
    う〜ん、やはり25、(ほとんど26日も)とホリデーが続き、町が静かなことかな?何となく日本のお正月のにおいを思い出すような静けさです。


    【うえの】
    何事もなくあっさり過ぎていくところ。

    まわりに踊らされて、無理やり盛り上がらなくていいし、無駄な消費がなくて済むのはやはり助かります。

    お祝いしたい人はホテルやレストランのスペシャルイベントやクラフトフェアとかに行って、ちょこっと雰囲気を楽しむこともできます。


    【夏樹】
    24日の夜、道で誰か知っている人とすれちがうと、ちょっとヒソヒソ声で「おめでとう」と言い合う習慣があって、このヒソヒソ声でというのが可愛くて好き。大きな声で言うと、まだ赤ちゃんのイエス様を起こしてしまうからなんですって。


    【西川】
    ヒソヒソ声! なごみますね〜 私も今年やってみます。でも、バンクーバーでは「パードン?(えっ、何?)」と聞き返されそう。でも、今さらながらですが、世界各国、それぞれ違っていて、面白いですね。

    クリスマスで大騒ぎをする12月は、大晦日までパーティ続き。精神的、体力的、そして胃腸まで疲れて果てている私には、うえのさんの「あっさり」は羨ましい限りです。残すところ今年もあとわずかになりました。皆さんよいお年をお過ごしください。

    カテゴリ:『地球丸座談会』 | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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