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第1回 日本再発見!
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    ◆座談会参加メンバー◆

    ◆ホスト:椰子ノ木やほい(米国・ミシガン州在住)
    1997年家族でサモアに移住。南太平洋の小さな島国で4年間のシンプルライフを経験。2001年より米国ミシガン州在住。日本を離れてから10年が経つ。 

    ◆郷らむなほみ(カナダ・オンタリオ州在住)
    日本と赴任地を行ったり来たり…が理想のはずだったのに、1991年に今の夫と結婚以来、赴任で東京に数年住んだのみ。サトガエリ? 何ですか、それ? という今日この頃。

    ◆夏樹(フランス・パリ在住)
    1988年に渡仏。最初の10年はまったく帰省しなかったが、5,6年前から毎年帰国している。

    ◆メイフェ(台湾・台北在住)
    1992年に夫の転勤で台湾へ。1996年フィリピンミンダナオ 1997年シンガポール2001年から現在まで再び台湾での生活。アジアを転々と今年海外生活16年目。

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    【やほい】
    私は日本に帰るたびに、電車のホームで走ってしまう人たちや、歩く速度の早さに圧倒されます。時間が早回しで過ぎているようにさえ感じるのですが、ここにいる皆さんは、今お住まいの国、もしくは今まで住んだ国に比べて日本の時の流れる速さをどう感じますか?


    【郷らむ】
    絶対早過ぎ。ついていけないです。
    とはいえ、最後に帰ったのはもう3年くらい前でしょうか。
    今も早いのかな?


    【夏樹】
    私はこの夏、帰りました。

    確かにみんな急いでいるというか、忙しがっている。
    「もう、最近忙しくてね」っていうのは、挨拶の代わりなのかな? 何もすることがない人でもそう言っているところがおかしかったです。

    技術的なことは、ものすごい勢いで変わっていて、びっくり。
    でも、その傍らで、人間は、そんなに変わってないような感じがしました。

    たとえば、電車の切符の買い方が、ハイテク化されていても、わからなかったら教えてくれる係員の人が待機してくれているところなど、いいなって思いました。機械の横に、生身の人間の存在がきちんと感じられることに感心。

    フランスは、いろんな分野で機械化が進んで、銀行や切符売り場が無人化しつつありますが、それはもう、「自分でどうにかしろ」と言わんばかり。
    機械の前に人間をこういう形で放り出すのってほんとうに暴力的だと思います。


    【メイフェ】
    同じアジア圏ということもあって台湾と日本は似ているところもとても多いのですが日本に帰るとなぜか街が気忙しくて、追い立てられているような緊張を感じます。


    【やほい】
    それでは、日本を離れているうちに、日本のこんなところが変化して悲しいとか、気になるということがあれば。


    【郷らむ】
    悲惨な事件(殺人、傷害、自殺など)が多いような気がします。
    日本って、もっと平和だったような…。


    【夏樹】
    それはそうですね。
    ただ、新聞の三面記事とか、テレビでそういうことを話題にしすぎって感じました。
    こういう事件って、話題にすればするほど、ひとつの選択肢として存在してしまうでしょう。そうすると、それを選ぶ人も増えてしまうと思うんです。たとえば、私が滞在している間に、「ネットで出会った人々が集団自殺」というニュースがあったけれども、「どうやって自殺したか」まで細かにプライムタイムに説明するのは余計なこと。その人の死に様は、プライバシーに関わることだと思います。


    【メイフェ】
    夏樹さんに同感です。テレビなどを見ていても報道の過剰さを強く感じます。こんなに事細かに一つの事件いろいろな角度からテレビで朝から晩まで繰り返し流していたら、模倣犯を作っているようなものだし、子供たちにも要らない情報を与えているとも思いました。


    【やほい】
    逆に、日本はやっぱりここがステキと思うところはどうですか?


    【郷らむ】
    エコ意識が強いところ:
    ゴミ、ちゃんと分別しますよね?
    リサイクルも進んでいるし、第一、もともと日本の伝統的な家って、全て自然素材で出来ているじゃないですか。スゴいと思います。


    【やほい】
    確かにスゴイですね。日本滞在中、私がいろんなものをお構いなくゴミ箱に捨ててしまうものですから、母はずっとゴミ箱を“検閲”しては分別しておりました。(笑)

    息子(16)はアメリカに戻り、アメリカ人の友達に「日本ではマクドナルドでさえ、ストローや蓋、カップをちがうゴミ箱に分けて捨てるんだ」と説明しているのに笑えました。よほど面食らったのでしょう。もっと他に伝えることあるだろうに……。 


    【夏樹】
    あれはすごいですね。
    エライと思いますが、私はついていけません。
    複雑すぎて。
    ペットボトルの蓋とボトルと紙に分けるってのは参ります。

    そう考えると、エコ活動にも、それぞれ得意分野があるんだなって思います。
    フランス(パリ市内)では、リサイクルできるものとできないものに分ける、その二種類の分別がいまだにできない人がたくさんいるんです。

    でも、彼らは遺伝子組み換え食品反対運動とかではかなりラジカルな戦い方をする。
    ゴミの分別は苦手だけれども、身体を張って畑を守ることは得意なようです。


    【郷らむ】
    食べ物が豊富で美味しいこと:
    世界中のいろんな食べ物がある!食へのこだわりって、良いなあって思います。カナダ人って、食事は「餌」くらいにしか考えてないと思うのですよ…。

    四季があること&その行事があること:
    今は一年の半分が冬の国。前任地は一年の半分が夏。そして、季節ごとにいろんなイベントがあるって良いですよね。節目や季節の変わり目、気持ちを引き締めるのに効果的だと思います。


    【夏樹】
    私がステキだと思うのは、日本人の「老い方」。
    お年寄りの物腰、話し方。
    人間がきれいに枯れていくことができる環境があるのかな?

    フランスでは、「老いる」ということの価値がゼロ。
    昔はそうではなかったのかもしれないけれども。
    その辺は、深く考えたことがなかったからよく知りませんが、
    お年寄りをカッコイイと思う人っていないと思う。

    でも、日本では、着物着て、腰が曲がったおばあさんが美しいし、周りの人も、そう思っているのではないかしら?


    【メイフェ】
    四季があってその季節季節で同じ風景が美しく変わっていく様子は日本の素晴らしいところだなと思います。
    あと交通機関、特にバスが人に優しいです。
    時刻表があって時刻どおりにバスが来るのがすごいです。またバスに乗った時に乗客がちゃんと乗車したのを確かめてから運転手さんが「発車します、よろしいですか?」「次は○○へ到着いたします」とひとつひとつがものすごく丁寧で驚きます。

    台湾ではバスは乗ったか乗らないぐらいで発車しますし、運転もとても荒くバスの時刻表も「15分から20分に1本」とかなりアバウトな上に、それどおりにも来ないこともしょっちゅうです。


    【やほい】
    では、まったくの個人的興味ですが、帰省していちばんおいしいと思う食べ物はズバリ何ですか?


    【郷らむ】
    櫃まぶし。お茶漬けが特に!
    コンビニ弁当の質の高さに、驚かされっぱなしだったのを覚えています。


    【やほい】
    名古屋と言ったら“櫃まぶし”というぐらい名古屋名物になっていて驚きました。これもマスコミの効果なのでしょうか。


    【夏樹】
    すべて。三食が待ち遠しい。あえて言えば、ウニ弁当。


    【メイフェ】
    お豆腐です。
    台湾もお豆腐料理があり、お豆腐も普通にスーパーで売っていますがやはり大豆の味がしっかりしたお豆腐は日本が一番です。


    【やほい】
    いちばん最近の帰国で、初体験したことは?またそれについて、どう感じましたか?


    【郷らむ】
    うーん。何でしょう。特に初めてってことは何にもしなかったような…。


    【メイフェ】
    電車の中でフルメイクをする女性を見ました。
    お化粧をする人を見たのは初めてではなかったのですが下地に始まり、ファンデーション、アイライン、マスカラ、口紅と、あれにはびっくりしました。さすがに周りの乗客も興味津津で見ていましたが、それにびくともせず、恥ずかしいという感覚がゼロなのか、恥ずかしいという行為ではないと思っているのか思わず「ドッキリ番組」かなにかの企画なのではないかと思ったほどです。


    【やほい】
    私も一昨年帰国したときに、女性専用車両の地下鉄でお化粧を始めた女性を見ました。同じ女性としてかなりショックでしたよ。でもその後で、ファミレスの長いすで料理を前にヘアーブラシでずっと髪をとかしている女子高生を見てからは、「日本はもう変ったんだ」と思うようになりました。「お行儀が悪い」という観念がなくなったのでしょうか。


    【郷らむ】
    私が気になったのは、自分の脳でしょうか。
    いろんな国に住んで、日常生活に日本語でない言葉を聞くのが当たり前の暮らしに慣れすぎなのか、考えなくても分かってしまう言葉がどんどん耳から入ってくると、すごく疲れる…。
    例えば、バスや電車に乗り合わせたり、駅やデパートなどの人ごみで、よそ様が話している内容がガンガン私の頭に染み込んでいくって、かなり苦痛だなあと感じました。

    今は仏系コミュニティーにいながらほとんど英語の暮らしですが、それでも聞きながら意味を考えつつ理解しています。タイ語も広東語もアラビア語もフランス語も、片言は分かりますが、あくまでも私にとってはバックグラウンドミュージックみたいなものですから…。

    皆さんは、そんな経験ないですか?


    【夏樹】
    あります!
    でも、どっちかというと、文字がものすごくリアルに迫ってくるのが疲れました。
    広告の文字とか。全部読みたくないのに、目が勝手に全部読んでしまうみたいな。

    私にとってフランス語は日常ですが、夜11時以降はわからなくなりますね。
    脳のシャッターが降りてしまう、店じまいという感じ。
    日本語だとそれがないので、疲れるっていうのはありました。


    【やほい】
    確かに……。母国語じゃない世界にいるって、知りたくないことは聞き流しやすいというか無視しやすいですよね。


    【メイフェ】
    私も日本にいる時は、すべて周りの会話の日本語が耳に自然に入ってきて、なおかつその日本語がとてもとても汚かったりするので、聞いていて気分が悪くなって疲れます。(笑)


    【夏樹】
    初体験というか、初めて気づいたことは、新幹線でお弁当を売りに来てくれる女性とか、スチュワーデスさんとか、レストランのウェイトレスさんとかが、とても不思議な声で話していること。地声でなくて、仕事用に作った声というか。

    ああやって声を変装して、制服を着ると、自分の日常から抜け出て、仕事用に変身できるのかもしれませんね。

    声のトーンがTPOによって変化したりするのが普通というところがおもしろい。

    だから、仕事中に個人的な機嫌の悪さとかを剥き出しにしなくてすむというか、
    なかなか賢いと思いました。


    【やほい】
    夏樹さんのポイントは、おもしろいですね。言われてみるとそうですね。自分であって自分ではない、言うなれば演じているのかもしれません。昔、よくデパートには、エレベーターガールがいましたが、独特の語り口でしたよね。昔は「そういうものだ」と思っていたので気にもなりませんでしたが、日本を離れているうちに、そうした枠がなくなって、違和感を覚えたり、気になってしまったりするのでしょうか。

    日本ではない国に住むようになり、気づかないうちに、日本にいた頃の自分とは違う視点を身につけているのもしれませんね。だからこそ、帰国の度に新しい発見があり楽しいですね。


    カテゴリ:『地球丸座談会』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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