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インドの民族衣装
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    「世界の民族衣装」
    文・写真:冬野花 (インド・ニューデリー在住)

    特別な場合以外は、サリーは既婚女性の着るものです
    特別な場合以外は、サリーは既婚女性の着るものです

     インドの民族衣装といえば、言わずと知れたサリーがある。何といっても、いまだに人々が普段から着ているということが特徴。インド人がことさら保守的で、伝統の生活を変えることを好まないのもさることながら、やはり一番の理由は、その着やすさによるところが大きいと思われる。

    普段からサリーを着ている女性は、めったに洋服は着ません
    普段からサリーを着ている女性は、めったに洋服は着ません

     細かい部分を見れば、補強のためにスソの部分だけ布をダブルに縫い付けてあったりするのだが、基本的にはサリーは、どこにも縫い目のない、5メートル〜8メートルの長さの1枚布なのだ。それを独特の着付け方で体に巻くようにして着る仕組みだ。よって、糸杉のように細い人から、インド人のおばさんによくいるゴムマリのような人まで、体型をいっさい選ばない。妊娠しても、歳とって太ってもなんのそのだ。ベランダから、何メートルもある巨大な布が舞っているのを見ても、初めて見た人にはそれが干されたサリーであることはわからないだろう。

    パーティー用のサリー
    パーティー用のサリー

     サリーの質はピンキリで、安ければ800円程度だが、高いものは100万円以上もする。一般的な中流家庭の女性でも、十数万円の晴れ着用サリーを数枚は持っているものらしい。サリーは女性の財産でもあるのだ。高級なサリーは親から子へ受け継がれていく場合も多いのだが、その時にサリーは、サイズを選ばないという利点を大いに発揮する。たった1枚の布であるがゆえ、体型や流行のシェイプに左右されずに、世代にわたって大事にされていくわけだ。サリーは、着古されてボロボロになる以外には、捨てられる理由のない、とってもエコな衣装なのである。

    ボロボロになったサリーは、こんな風にシャツにも再利用
    ボロボロになったサリーは、こんな風にシャツにも再利用

    スソを腰のところから、ヒラヒラ出して着るのは、スリランカスタイル
    スソを腰のところから、ヒラヒラ出して着るのは、スリランカスタイル

     また、地域や時代のトレンドによって、着付け方がいろいろあるのが面白い。ひだの取り方や、最後の数メートルをどちらの肩に回すか、などいろいろだ。もちろん、テキスタイルのデザインには流行があり、女性誌のデザイナーズサリー特集などは、見ていて飽きない。最新情報では、グッチがインドの民族衣装市場に参入するらしく、楽しみである。

    ≪冬野花 (ふゆのはな)/プロフィール≫
    2004年夏よりニューデリーに単身在住。ヒンディー語をしゃべりながら暮らす。フリーライターとして活動しながら時間を見つけてはインド国内旅行をする日々。夏は最も魅せられているヒマラヤ方面、冬はポルトガル植民地時代の面影が残るゴアがお気に入り。ホームページ
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