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野山の恵みで商売
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    『こんなもの食べる?』
      文・写真:うえのともこ(ネパール・カトマンズ在住)


     子どもの頃、レンゲを摘んだり、花の蜜を吸ったりして草花での遊びを楽しんだ。カラスノエンドウは、さやえんどうのミニ版で赤紫の小さなかわいい花が目印。細いさやから中の豆を取り出し、筒にしてピーピー笛のように音を鳴らして遊んだものだ。どんぐりをおままごとの食材に見立てて遊びながら、どんぐりを食べたらどうなるだろう?食べてみたいな、なんて考えていたけれど。

     あれから数十年。遊びに使っていたカラスノエンドウとどんぐりがネパールではおやつとして食べられているのを見て、驚くことになろうとは。

    カラスノエンドウ売りのおばちゃん


     草刈りしてきたまんまと思しき草の束をおばちゃんが道端で販売しており、それを大人も子どももごっそり買って、草に潜んでいるさやをちぎっては、中のちっこい豆を数粒取り出して口に放り込んでいる。それらはもちろんわざわざ栽培されているものでなく、紛れもない雑草だ。あれはヤギや牛のえさではないの? 動物や人間の排泄物なんてひっかかってはないかしら? さやの中ならきれいなもんか? 疑問がグルグル巡る。

     春祭りで賑わう古都で一休みしていると、横に腰掛けた若者が親切にそのカラスノエンドウを子どもに手渡してくれた。うれしそうに食べる子ども。「ハイ、ママにもね!」「えっ、あ、ありがと」口に入れると新鮮な青臭さのなかにもほのかな甘みがあって意外にもイケる!

     さて、どんぐり。これまたこちらじゃ立派な(?)おやつで、殻を剥いては生でボリボリ食べる。子どもらと日向ぼっこをしていたら、義姉に「ほれっ、食べろや」と渡された小粒のそれ。子どもらも義姉も口に放り込んでいる。 大人も食べるの?食べてもいいのね?

     どんぐりはアクが強く食べると腹を壊すと聞かされていたので、かなりおっかなびっくりで。決してうまいものではないけれど、食べ物がなかったなら、まぁ食べるのかな、といった感じ。

     秋祭りのシーズンが近づくとコケモモを売る人たちが増える。これも森で採集してきたアイテム。新聞紙を円錐に丸めたカップに盛り、以前紹介したビレヌン(紫岩塩)を振りかけてくれる。

     日本では売っていないこんな野山の実り。これらを美味しいと思える味覚を持っていることは、人工加工品に毒されていないピュアな味覚を維持していると言えよう。しかし食べるという事実より、なんでも商売になっちゃうことに驚きと感心する次第。


    ≪うえのともこ/プロフィー ル≫
    ネパール語ではどんぐりと栗という単語は同一で区別がない。栗を食べたい、と言うと夫に街角で売られているどんぐりを見せられ「これではないのよっ!」と怒り半分で力説したことも。韓国のどんぐり料理「ムッ」とやらを一度食べてみたい。 「ネパールの達人」としてブログで情報発信している。
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