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難しすぎる?! ポーランドの苗字
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    『国際結婚・笑える名前』
    スプリスガルト 友美(ポーランド・ポズナン在住)

     私が未来の夫と初めて出会った時、苗字を聞いて耳を疑った。聞き取れなかったのだ。スペルを紙に書いてもらい、もう一度発音してもらってやっと理解した。後で聞いたところによると、夫の苗字はドイツ系で、ポーランドでも大変珍しく、スペルミスや聞き直しは日常茶飯事なのだそう。私の旧姓は“伊藤”というありふれたもので、常に珍しい苗字に憧れていたものだが、結婚してそれが現実になったどころか、ポーランドでも日本でもかなり稀な苗字になってしまった。同姓同名の人物に会える確率はゼロに近い。

     一時的に日本に滞在することになって、“憧れの珍しい苗字”が苦労のもとに変わった。電話口で何度苗字を繰り返したことだろう。「スイカのス、プリンのプ……」、などと一文字ずつ区切って苗字を説明しても間違われることがしばしば。“スプリット”さん、“スプリント”さんなどと呼ばれる始末だ。

     ポーランドの苗字で一般的なのは“-ski(スキ)”で終わる名前。中でも“Kowalski(コヴァルスキ)”という名は“Nowak(ノヴァク)”と並んで最もよくある苗字の一つである。(ちなみに、“-ski”で終わる苗字はポーランドのものだそうで、世界各国で見かける同様の苗字を見れば、先祖にポーランド出身者がいたということになるようだ。)

     ポーランドに住み始めてから様々な苗字を目にするようになったが、実は上記のコヴァルスキさんやノヴァクさんにお目にかかったことはあまりない。それよりも面白い苗字が目に留まる。

     たとえば、有名人だとテレビアナウンサーの“Lis(リス)”さん。“Lis”とはポーランド語で“キツネ”を意味するのだが、日本でも親しまれそうな名前だ。銀行や病院などで“リスさん”なんて呼ばれたらかわいらしいだろうな、などと想像してしまう。

     “Budda(ブッダ)”なんていう苗字も見たことがある。ポーランドは言わずと知れたカトリックの国なのに、“ブッダ(仏陀)”なんて。日本のお寺で名前を書いたら、ふざけていると思われてしまうだろうか。

     国際結婚しなければ、気にならなかったであろうカタカナの苗字。日本ではどんなに難しい苗字と思われようとも、私にとっては大切な家族の苗字であり、これからも誇りに思っていたい。

    ≪スプリスガルト友美(スプリスガルトトモミ)/プロフィール≫
    フリーランスライター・翻訳者。東京外国語大学にてポーランド語を専攻。日本文化を専門にするポーランド人の夫と2002年からポーランド在住。大好きなポーランドの児童書に囲まれて過ごす日々を送る。自分が翻訳した児童書を出版する日を夢見て、児童書を含むポーランドに関する情報をホームページやブログで発信中。「友美とヤツェクの宝箱」 夫と共同で運営しているホームページ「poziomkaとポーランドの人々」 ポーランド関連のことを記しているブログ
    カテゴリ:『国際結婚・笑える名前』 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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