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「沙漠の国のガーデニング」
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    『日本の常識は世界の非常識?』
      文:郷らむなほみ(オンタリオ州・カナダ)

     イラク戦争に伴う日本への退避帰国を終え、滞在先の名古屋を出発したのは梅雨の真っただ中。久しぶりの我が家に戻ったら、すっかり夏! というサウジアラビア・リヤドの気温は、既に40度を超えていたのでした。殺風景なウチの庭に色が欲しいと思っていたのに、この暑さではペチュニアも一晩でドライフラワーになってしまいそうです。

     そういえば、外出時に車の窓から見た街路樹は元気がなく、草木は茶色い葉を付けています。えーっ! 夏は植物が枯れちゃうの? 夏枯れ? と、軽いカルチャーショックを受けたのでした。

     リヤドは内陸部で、夏場の気温はとても高く、庭にデジタル温度計を置いているご近所のマダムは、最高気温が50度を超えるかどうか、毎日嬉々としていました。それでも、ドバイやアブダビといった沿岸部の都市とは違い、湿度は限りなく低いのです。湾岸地方では、エアコンの効いた建物から外へ出ると、一気にメガネが曇ってしまいます。足元が見えず、つんのめって転びそうになってしまったことも度々でした。その点、リヤドはどんなに暑くてもカラッとして快適。まとわりつくような湿った空気、さっきシャワーしたばかりなのにすぐまた汗が滝のように吹き出して来る、などということはありません。

     9月になると、ずいぶん気温が下がるようになり、10月はすっかり秋。日中の最高気温は30度くらいです。そうなると、植物は元気を取り戻して、ぐんぐん成長していきます。プラントスーク(植物の市場)が賑わうのはこのころです。毎年、今年こそは枯らさずに上手に育てようと思っても、メイドさんのいない我が家は、長期休暇で出かける度に水やりができず、結局は秋がやって来る度に新しい鉢を買うことになってしまうのでした。

     クリスマスまで2ヵ月程だと思うと、ちょっとツリーを探してみたくなります。が、イスラム教が国教のサウジでは、異教徒の象徴であるクリスマス関連の品物は公には販売されておらず、クリスマスツリーも御法度。特にクリスチャンではなくても、時季的な反応なのでしょうか、ないと余計に欲しい! さりげなくそれっぽい、“なんちゃってクリスマスツリー”をゲットして玄関に置き、赤い小さいリボンをたくさん飾ります。ホワイトクリスマスとは無縁の地ですが、それなりに工夫して季節感は出せるのだと思いました。

     ガーデニングは冬のお楽しみという、アラビア半島の暖かい冬が懐かしい今日この頃です。

    ≪郷らむなほみ (ごうはむなおみ)/プロフィール≫
    フリーランスライターで転勤族の妻。2003年〜2007年夏まで、4年8ヵ月をサウジアラビアの首都リヤドで過ごした。最初の年は気合いを入れてガーデニングに勤しむも、翌年の春が来たら一気に死滅してしまった庭の鉢植えに絶句。その年の冬に日本風石庭を造って、残りの任期は手間要らずになった。数十年ぶりの厳冬というカナダで、毎日雪かきに追われている今日この頃……。
    カテゴリ:『日本の常識は世界の非常識?』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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