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「雨水の利用」
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    『各国エコロジー事情』
      文・写真:あやこ(シドニー・オーストラリア)


     オーストラリアは今、全国的に深刻な水不足に悩まされています。ニューサウスウェールズ州では、約8割が干ばつに見舞われていて、穀物や野菜の栽培、家畜の飼育を断念せざるを得ない農家もあります。

     幸いシドニーでは、十分とは言えないまでも、時々雨が降ります。しかも降る時は狂ったように一週間ほど雨が続くこともあるのですが、同じ日に貯水池のある地域にはまったく降っていないこともあり、全体としては相変わらずの水不足が続いているのです。

     そこで恵みの雨を少しでも無駄にしないよう、「レインウォータータンク」というものを家庭に設置することが全国で奨励されています。レインウォータータンクは、水道水が普及していない地域の家庭では、長年愛用されています。大きさは高さ3m、直径5〜6mはあるでしょうか、それを縦にした状態で、新品のタンクがトラックに積まれて運ばれているのを地方で見かけたことがあります。しかし、最近は都市部の住宅にも設置しやすいよう、いろいろな工夫が施されています。レインウォータータンクといえば、通常スチール製やプラスチック製のものが主ですが、最近では住宅の床下に設置できる柔軟性のあるゴム製のものも登場しています。大きさもさまざまで、軒下にすっぽり納まる、省スペース型のものもあります。

     雨水の収集方法は次のとおり。屋根に降る雨が、雨どいにつながっているパイプを通ってタンクに流れ込みます。このパイプの入り口にはフィルターがついており、木の葉や虫がタンク内に侵入しないようになっています。タンクにはポンプ機能がついていて、直接ホースをつないで庭の水撒きや洗車はもちろん、タンクからの配水管を整備することにより、トイレやシャワー、洗濯など家庭内のさまざまな場面で雨水を利用することができます。タンクの水を使って、ペットのワンちゃんを芝生の上でシャンプーしながら、同時に芝にも水撒き、などということもできるのです。

     許容量、配水管の整備等の規定を満たしたタンクを家庭に設置すると、タンクの費用の一部が水道局から払い戻されることになっています。そして水道局では、水をなるべく使わない洗濯機や食器洗い機を購入するよう推奨しています。オーストラリアで売られている新品の洗濯機や食器洗い機には、「A」のマークがついたシールが貼られていて、その家電が消費する水の量をわかりやすく示しています。Aの数が多ければ多いほど、水の消費量が少ないのです。

     家庭での水道水の使用が減れば、水道局へ支払う水道代が少なくなり、数年で元が取れるとはわかっていても、タンクの設置には投資が必要です。そのため、いざ購入となると、なかなか決心がつかない家庭が多いように思います。家庭でのスプリンクラーの使用、水道水の出る蛇口にホースをつなげての洗車、水打ちが禁止されて久しいオーストラリア。各家庭にタンクが普及し、夏の暑い日の夕方に、ほてったコンクリートの地面にタンクの水をホースでたっぷり撒いて、涼を求める人々の姿が見られるようになる日が、いつかはやってくると信じています。

    節水型洗濯機
    5つ中4つの「A」マークがついている、我が家の洗濯機。全自動型洗濯機よりも、ドラム型洗濯機の方が水の使用量が少ないそうです。ちなみに、洗濯機の左側についているシールは、電力の使用量を星マークで示したもの。

    ≪あやこ/プロフィール≫
    シドニー在住。通訳者・翻訳者。月末になってやっとお湿りがあったものの、先月も平年の3割ほどしか雨が降らなかったシドニー。実は今、外では雷が鳴っています!都市部だけでなく、どうかダムのある地域にも雨が降りますように!
    カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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