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タマネギ涙で目の浄化
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    『ところ変われば……』
    文・写真:冬野花(ニューデーリー・インド)

     インドで生活していて、すでに3人くらいのインド人から言われたことのあるセリフ。それは「あら、タマネギで出る涙は、目を浄化するからいいことなのよ」というものだ。

     私がタマネギを切りながらボロボロ泣いている時にも言われたし、サランラップで目を覆いながらタマネギを切っていた時にも笑われながら言われた。それどころか、以前住んでいた家の大家さんは「ドライアイの時や目にゴミが入った時には、タマネギを切るといい」とまで言っていた。わざわざタマネギを切って、意図的に目に涙をにじみさせるなんて!

    タマネギ涙で目の浄化

     そういえば、アーユルヴェーダの施術では、目の中にオイルを流し込む、というものもある。目の中にギトギトのオイルを入れるの?と最初はびっくりするものだ。タマネギで涙の場合は、涙をたくさん流すことによって汚いものを外に排出し、目を潤す、という事だろう。それがケミカルな方法ではなく、タマネギで、というところが自然界の知恵を集結させたアーユルヴェーダが生活の中に生きているインドならではである。

     最近では日本でも浸透し始めているアーユルヴェーダという言葉だが、「インド伝承医学」と訳されることが多い。伝承医学とは、民間の間に広まっている、いわば“民間療法・家庭の医学”のようなものであるので「タマネギで涙を流して目の浄化」も、それら一連の療法のひとつと言って差し支えないだろう。(といっても、アーユルヴェーダは、学問としてもしっかり確立されているが)。

     インドにいると、さまざまな“民間療法”の知恵が普段の庶民の生活に根ざしているのを実感する。特に、“浄化”や“毒素排出(デトックス)”といえば、アーユルヴェーダの最も得意とするところだ。

     日本では“タマネギを切る時のゴーグル”まで売っているというのに、インドではタマネギで出る涙はいいことだなんて、面白い異文化体験だ。

    ≪冬野花 (ふゆのはな)/プロフィール≫
    2004年夏よりニューデリーに単身在住。ヒンディー語をしゃべりながら暮らす。フリーライターとして活動しながら時間を見つけてはインド国内旅行をする日々。夏は最も魅せられているヒマラヤ方面、冬はポルトガル植民地時代の面影が残るゴアがお気に入り。旅ルポ、アーユルヴェーダ、ヨーガに関しての執筆も得意。ホームページ。ブログ「心の暴風警報」
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