過少包装?
0
    『各国エコロジー事情』
      文・写真:うえのともこ(ネパール・カトマンズ在住)

    2、卵も裸んぼ。鮮度も不明。子どもをお使いに出すと、ぶつけたり転んだりで使い物にならない状態になってくることもありました;
    卵も裸んぼ。鮮度も不明。子どもをお使いに出すと、ぶつけたり転んだりで
    使い物にならない状態になってくることもありました。


     ネパールの市場や八百屋で売られている野菜や果物はみんな裸んぼ。野菜や穀物、スパイスもほとんどすべて量り売りで買う無駄のないスタイルだ。

     日本のスーパーなら葱はそれ用の細長い袋にすくっと納まっているし、青菜はワイヤーに束ねられ、乾燥を防ぐ透明スカートをはいたりして。きのこやイチゴはプラスチックトレーに入りまるで箱入り娘、お刺身なんて塗りのお皿みたいな和柄の発泡トレーに飾りたてられ、みんなおめかししてツンとすましている。買い物に出れば大量のゴミも持ち帰ることになり、その処分にもお金とエネルギーがかかるというのは何とも合点がいかないのでは。

     それに比べこちらのみなさんのワイルドさ、粗雑さ、逞しさったら。肉や野菜に人間が決めた「規格」なんて枠はないから、日本だったら絶対に店頭に出せないような鍬に傷ついたもの、虫に食われたもの、大小ひっくるめ全部同じ扱いで、泥んこが当たり前。青菜は数枚、数株ごとに濡らした稲藁で束ねられている。以前買った新鮮で先までピンと伸びた韮の根元を束ねているのは韮自身だったもの。これにはいたく感心。もちろんまとめ役になっているその韮もちゃんと調理していただきましたとも。

    1、解体された猪。毛を残すのは豚肉と区別するため、かな?蝿もブンブン飛んでいます。
    解体された猪。毛を残すのは豚肉と区別するため、かな?蝿もブンブン飛んでいます。

     究極は豆腐と肉類。通行人でひしめく埃っぽい路上、タライのお風呂に頭を出して浸かりながら、出番を待っている豆腐。肉屋に至っては、動物がそのまんまの姿でデーンと鎮座している。剛毛モヒカンカットの猪はターメリックのお化粧を施され眩しいほどのオレンジ色。鶏も毛を毟られ、いつでも丸焼きにできる体勢で常温にスタンバイ。さっきまで生きていたヤギの生首の横には大股を広げたその下半身が。店先の柱に繋がれ草を食みながら「べぇべぇ〜」と鳴くまだ命あるその子に対する配慮や気遣いは一切なし……。そしてハエが集り放題。キャ〜!(鳥肌)なんだけど、もう慣れた。

     買ったものは薄いビニール袋に入れられる。過剰包装がなくゴミが少ないのはよろしいが、衛生的かというと、もちろんNO!そして栽培、加工に何が使われているかという安全に関する情報を知る手がかりは皆無で、売り手に尋ねることくらいしかできない。その売り手もわかっていなかったり、言うことが正直であるとも限らないのは困ってしまうというか、ちょっと怖くもあるが。

     今年の6月からは中国がレジ袋を作っても売ってもいけないという規制に乗り出すそうだ。となるとこちらの市場にも新聞紙や葉っぱなんかが出現するかも?

    ≪うえのともこ/プロフィー ル≫
    過少ながらこの薄いビニール袋も一過性のもので、ゴミをゴミ箱に捨てる習慣のないネパールでは環境破壊に加担している。しかし青菜売りのおばちゃんはリユース派で4ルピーの青菜を買うお客にわざわざ新品の袋を出しはしない。私も幾枚か集めては寄贈するのだけど、決して青菜をオマケしてくれるということもなし……。かれこれ在住のべ5年。「ネパールの達人」 としてブログで情報発信している。
    カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 07:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    月曜日のユーウツ
    0
      『各国エコロジー事情』
        文:郷らむなほみ(カナダ・オンタリオ州在住)


       また、ゴミ出しだ……。日曜の午後、家中のゴミを分別しながら、ちょっとだけブルーな気持ちになる。
       カラスがゴミをあさりに来るからだ。
       東京などの大都市ならまだしも、近所にはまだ森がたくさん残っているカナダのこんな田舎にも、なぜかカラスがいる。氷点下の真冬も、月曜には決まって複数でやって来て、近所のゴミを漁っていた。大きな身体と大きな態度、私がそばを歩いても全く無視。東京在住中、カラスにマークされた夫の件が脳裏を過り、攻撃されるのを避けて私の方が迂回して通ることにしている。住宅が少ないうえ、週に一度しかゴミ出ししないのに、こんなところになぜカラスが来るのだろう?

       私は不思議で仕方がなかったのだが、ある冬の朝、散歩に出てその理由が分かった。ご近所さんたちってば、ゴミを正しく処理して出していないのだ。

       スーパーマーケットで買う肉類のトレー。これはリサイクル可能だから、青いゴミの箱に集めて出すのが決まり。それは良しとして、カラスがつついていたのは、トレーの隅っこにくっ付いている鶏肉らしき肉片。ふと見ると、トレーにはまだ吸水シートが付いたまま(注:肉汁などを吸わせるため、肉とトレーの間に薄い座布団のようなシートが敷いてある)。驚いたことに、ラップもまだくっついているではないの! これではカラスに餌をやっているようなものだ。

       実家がある名古屋では、プラスチックトレーも缶詰も、全てのゴミは水洗いの後、乾かして範疇ごとに分類、決められた収集日の朝8時前後に出す……というのが鉄則だ。コンビニ弁当の器も、スーパーマーケットの食材やお惣菜の包装も、全てのゴミがどう処理されるのかを把握して分別するのが消費者の責任とされている。藤前干潟(*)をゴミ捨て場にしないことを選択したのだから、当たり前ではあるのだが。

       ウチの近隣には子どものいる世帯が多く、ゴミだってたくさん出るだろう。おまけに、どこの家庭も共働きが当たり前というカナダでは、主婦は忙しくてキッチリとゴミの分別なんてやってられないのかもしれない。朝早い出勤だから、前日の夜からゴミを出すのも目をつぶろう。

       しかし、消費する限りゴミは出る。消費者としての責任と義務は果たすべきではないのだろうか? ここでしっかりと次世代を教育しないと、これまで続いて来た北米の大量消費型の暮らしは変えられないに違いない。昨今、バブリーなカナダの今後が案じられる……と思っているのは私だけではないはずだ。

       もっともっとゴミ減らしに精進して、還元、再生、再利用の意識を高めてゆきたいものだ。小さな努力だって、集結すれば大きな力になると信じて、私は今日もせっせと炭酸飲料の缶も洗っている。お隣さん、テレビゲームに興じている子どもたちに、トレーを洗わせたらどうですか?

      *藤前干潟:名古屋市西南部から海部郡にかかる干潟。名古屋市がゴミの埋め立て地として選んだが、干潟に住む貝類やそれを餌に飛来する鳥類の保護のため、市民らの反対でゴミ処理場計画は取りやめになった。


      ≪郷らむなほみ/プロフィール≫
      フリーランスライターで転勤族の妻。名古屋生まれ。重箱の隅を楊枝でつついて汚れを取りたい派。エコな暮らしを目指している訳ではないが、ゴミの分別くらいはキッチリやりたい。今、一番欲しいのは、日本製家庭用生ゴミ処理機。
      カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 07:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      「インドで牛発電って?」
      0
        『各国エコロジー事情』
          文・写真:冬野花(インド・ニューデリー)

         先日、朝の新聞をめくっていたら、「ジャールカンド州で牛発電」と出ていた。

         う、牛発電って何……? 冗談? と思ったのだが、「ムンバイのKVIC(家内工業委員会)によって設立された、ビルラー(インドの財閥のひとつ)のテクノロジー研究所の機械工学部門がこのたび発明した。試運転において、そのジェネレーターは、牛一頭により一度に18軒の家の35本の蛍光灯をつけることに成功。KVICによって5年のうちに試行された20のプロジェクトのうちのひとつだ」とある。なにやら、まじめそうではないか!

        インドで牛発電って?

         ジャールカンド州というのは、インドの中でも田舎中の田舎。貧しく、他の州よりも数段遅れており、観光資源すら乏しくガイドブックにもろくに登場しない州だ。インドに詳しい人でなければ普通、耳にすることもないだろう。昨今のインドの急速な発展とか、IT企業の躍進、などという事柄にも何の関係もない。

         そのジャールカンド州の農村部での慢性的な電力不足を、牛による発電で補うというアイデアらしい。

         だが、牛が具体的に何をすることにより発電が可能なのかについては、その記事には書かれておらず、また少し調べてみたのが、今のところ詳細は不明だ。牛が走って、または歩いて何か重いものを引っぱる力を、電気に変換するのだろうか? それとも何かほかの方法だろうか?

        “このポータブル・ジェネレーターは簡単にインストールでき、また、いつでも必要な時に稼動できる”のだそうだ(新聞には、このようにユーモアを込めて、まるで工業製品かのように表現されていた)。そしてコストは4500ルピー(1万3千円程度)で、携帯電話の充電やテレビを見るための充分な電力も供給できるだろう、という事である。

         ところで、これはエコと言えるだろうか……?(笑)。斬新なエコ発電と言える? と思い取り上げてみたが、微妙だ。田舎の農村地帯で展開されているであろうその光景を想像すると、なんだか少し笑えてしまう感じもするのだが、牛の立場になってみれば、「冗談じゃないよ!」と言うかもしれない。

         IT企業の躍進と、村の牛発電。この2つが同時進行しているインドが面白い国であることは確かだが。

        ≪冬野花 (ふゆのはな)/プロフィール≫
        2004年夏よりニューデリーに単身在住。ヒンディー語をしゃべりながら暮らす。フリーライターとして活動しながら時間を見つけてはインド国内旅行をする日々。夏は最も魅せられているヒマラヤ方面、冬はポルトガル植民地時代の面影が残るゴアがお気に入り。旅ルポ、アーユルヴェーダ、ヨーガに関しての執筆も得意。ホームページhttp://fuyuhana.wancoworks.com
        カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:03 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        エコバックと抽選券
        0
          『各国エコロジー事情』
            文・写真:伊藤葉子(米国・ロサンゼルス在住)

           「大型グローサリーショップ*と薬局で、分解性ではないプラスチック製レジ袋のサービスを禁止する」。サンフランシスコ市が、こう宣言してからまもなく1年になる。ここでちょっと補足したい。こちらではレジ袋が2種類ある。紙製と、もう1つはサンフランシスコ市が禁止したタイプ。原料はポリエチレンといった合成樹脂で、つまり石油から作られるプラスチック製品なので、英語では“plastic”と呼ぶようだ。日本のスーパーのレジ袋も、これだろう。

           サンフランシスコ・クロニクル紙によると、世界中で1年間に、約5兆枚のプラスチック製レジ袋が使われている。これを1億枚作るためには、160万リットルほどの石油が必要になるそうだ。リサイクルが困難で、ゴミ処理所では場所をとるという難点も指摘されている。

           エコロジーへの関心が高まる中、マイバック派は増加している。オリジナルのエコバックを店内で販売するグローサリーショップは多い。ある日系スーパーでは緑地に地球の絵を入れた、いかにも「エコ」といったマイバックを売り、不要のレジ袋を回収する箱を設置している。

          Trader Joe’sで販売するエコバック

           全米に店舗展開するTrader Joe’sというスーパーは、エコを真剣にとらえつつ消費者が楽しめるように配慮している。同スーパーは、数種類のエコバックを販売している。鮮やかな色合いでおしゃれな感じのバックを、ショッピング以外の目的で使用している人をよく見かける。中にクッションを入れた頑丈なタイプのマイバックは、大きめで通常のレジ袋3袋分ほどの食品が入りそうだ。これを、日本へ帰国の際にお土産にする、という友人がいた。私は親子でのピクニックやビーチへ行く際、お弁当や飲み物を入れるために、このエコバックを愛用している。

          抽選券を入れる箱。いつか当たりますように!

           Trader Joe’sでは、こんなうれしい企画がある。マイバックを持参すると、商品券がもらえる抽選券をくれる。他社のエコバックでも、かまわない。同社の広報部によると各店舗によって多少やり方は異なるそうだが、私がよく行くカリフォルニア大学アーバイン校の前の店では、「月に1人、25ドルの商品券があたる」そうだ。そういえば、もう何回も応募しているけど1度も連絡がない。そう告げると、「毎回、応募者が多すぎてね」と店員に笑われてしまった。確かに抽選券を入れるバスケットは、かなり溢れていた。これだけ、マイバックで買い物する人がいる、ということなのだ。

           同スーパーでは、アライグマのぬいぐるみを店内のある場所においており、それを見つけた子どもには飴をくれたりする。こういった楽しい企画をしてくれるスーパーが、もっと増えるといいと思う。

          (注)日本の大型スーパーのような店。生鮮食品、冷凍食品、保存食、日用品、生活雑貨、雑誌や新聞などを販売している。

          ≪伊藤葉子(いとうようこ)/プロフィール≫
          ライター・翻訳者。カリフォルニア大学卒業後、地元の新聞社勤務。日系企業に関する取材記事を英語で執筆。現在では子育てを通じて、別の視点から米国事情を学んでいる。訳書に『免疫バイブル』(WAVE出版)がある。在米14年。
          カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          “エコ症”
          0
            『各国エコロジー事情』
              文・写真:増本昌子(カナダ・モントリオール)

             みなさん、“エコ”していますか?

             私は今、“エコ症”にかかっています。私的診断によると“不完全エコ性精神不安定症”となります。症状はこのような場合に顕著に現れます。

            症状例1ショッピングタイム
             私は週1回大きな買い物をします。野菜、果物、肉類、および日本食品を2時間ほど掛けて3〜4店を回って調達します。ですから帰宅すると20ほどのポリ袋が車のトランクに満載となっています。ポリ袋は環境に悪いからと、マイバッグ・キャンペーンも盛んです。

            「私も消費者として環境にやさしく生きようではないか!」と、こぶしを振り上げガッツポーズを取って出かけますが、レジの横にぶら下がっているマイバッグはまたまた見送りとなり、自分的には論理的根拠があると確信しながら、結局ポリ袋に詰め込んで家路に着きます。

             20袋もマイバッグを持って歩くのも大変!
             毎週20袋のマイバッグを洗うのも大変!
             先週お肉を入れた袋に野菜は入れたくない!

             もうひとつの選択肢であるマイボックスは、腰痛もちの私にとって許容重量オーバーです。中身の重さも考慮に入れるとするならば、ボックスは30センチ角くらいが限度でしょう。レジ近くに積み上げられている、重量挙げ選手用としか考えられない、巨大ボックスを見るだけで、私の背中は悲鳴を上げ始めます。「ボックスを無料配給します」と言われても使う気になりません。一般消費者にとってポリ袋は、もっとも運びやすい方法といえます。

             “エコ”しようと思う心と現実の行動が、なかなか直結しない結果、溜まったポリ袋をリサイクルに出す時、挫折感と共に“エコ”を強要されている不満が頭を過ぎり叫びたくなります。「マイバッグを強要する前に、微生物で分解されるポリ袋を使って欲しい」

            症状例2クッキングタイム
             いつも行くマーケット形式の八百屋で買いそびれ、近くのスーパーに行くと必ず生じる問題で、こちらの症状のほうが後をひくようです。

             それは、食品の受け皿として付いてくるポリスチレンパッケージのほとんどが、リサイクル出来ません。パッケージの裏に記されている番号を確認すると、ほとんどがゴミ箱へ“ポイ”タイプの6番です。

            下のサイトを見てください。
            私の住む町のリサイクルに関する通知です。(英語とフランス語)

             リサイクルできない物として、ハードプラスチック“6番ポリプロピレン製ハードプラスチック”、ソフトプラスチック“ストレッチプラスチック;つまりラップ”とあります。これが問題で、トレイの裏にはいろいろな番号がいくつも印刷されているくせに、肝心の三角リサイクルマークの中は6番です。

             食品パッケージはすべて、防水性がある6番プラスチックのトレイを使用しラップでカバーされています。マーケットと異なりスーパーでは、品質管理、衛生管理、盗難予防、防犯予防と、あらゆる障害を乗り越える為、商品は完全防備です。本音は、いいとこ取りされず、万遍なく売りつくしたいスーパーの見解から、すべてをパッケージ化しているのに違いありません。

            パックされた野菜と肉 木箱に収まったみかん
             スーパーのブロッコリーを食べることにより、ラップとプラスチックトレイのゴミがおまけとなってついてきます。そしてそのゴミ処理の責任は消費者が負うことになります。また、木の箱も持って行ってくれません。みかんの箱の写真を見てください。この箱もゴミとして捨てなければなりません。せっかくモロッコからはるばるみかんを運んで来たのに。

             エコ意識を持てば持つほど、不燃焼と言うか、思うように“エコ”出来ないことへの欲求不満が募ります。エコロジーが社会的問題ならば、流通業者が率先して研究開発し、消費者がリサイクルできるポリトレイを使って欲しい。

            ≪増本昌子(ますもとまさこ)/プロフィール≫
            モントリオール在住。パン作りが高じて昨年暮れブレッドメーカーを衝動買いしてしまった。家に帰って気がついた。毎回3ポンドのパンを作って誰が食べるの?私は自称ニクタリアン(注:つまりアトキンズダイエット)でパンは食べない。娘も母も少食ならぬ微食。かくして我が家の冷凍庫には、コルネパン、ハムパン、レーズンパン等が熟睡している
            カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            ハイブリッドカーはかっこいい
            0
              『各国エコロジー事情』
                文・写真:ユカリ・トラビス(アメリカ合衆国・ロサンゼルス)


               最近ロサンゼルスでは、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた低公害車、ハイブリッドカーをよく見かけるようになった。こんなに普及した最大の理由はガソリン価格の高騰だが、私は他にも理由があるように思う。その一つは皆がそれをかっこいいと思うようになったということだ。

               一昔前まで、ロス住民は皆「ハイブリッドカーなんかをトロトロ運転しているのは環境オタク」と思っていた。そんな印象を打ち砕いたのが今年7月に起きたアル・ゴア元副大統領の息子の逮捕事件。24才の彼はロス付近の高速をハイブリッドカーの代名詞とも言えるトヨタ・プリウスで走っていて、交通違反で逮捕されてしまった。世間を騒がせたのはその時のスピードである。彼はなんと時速100マイル(=時速161)で走っていたのだ。

               「ええっ! プリウスって時速100マイルもでるの?」

              人々は仰天し、「もしかしたらハイブリッドカーってかっこいいのかもしれない…」と思うようになったのだ。

               ハリウッドのセレブリティたちもイメージアップの貢献者だ。パパラッチの情報サイトによると、パリス・ヒルトン、ジュリア・ロバーツ、ジェニファー・ロペス、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオなどがハイブリッドカーの所有者として名を連ねている。セレブが参加するパーティの駐車場にもベンツではなく、プリウスがずらりと並ぶらしい。今やハリウッドでは「ガソリンをケチりたい人用の車」なんかではなく、「バリバリのセレブ車」なのだ。

               実はセレブがこぞって乗る背景には「グローバル・グリーンUSA」という仕掛け人がいる。この環境団体はアカデミー賞やオスカーの授賞式に低公害車で現れる約束をしたセレブの名前を5年前から毎年公表。ビッグイベントがらみの情報はたやすく世界を駆け巡り、大スターにはハイブリッドカーが相応しいとのイメージが定着した、というわけなのだ。

               やはり世の風潮というものは、どこかにいる黒幕によって巧妙に操作されているようだ。でも今回はそれが環境団体というのが新しい。私もイメージコントロールに素直に従って、近いうちにプリウスに買い替えようか、などと思うこの頃だ。

              トヨタ・プリウス
              トヨタ・プリウス。カリフォルニアのハイブリッドカーには、二人(場所によっては三人)以上人が乗っている車しか通行できない「カープールレーン」を自由に走行できるシールが発行されていたが、あまりにも数が増えたため、現在は発行が中止されている。 
               
              ≪Yukari Travis(ユカリ・トラビス)/プロフィール≫
              ロサンゼルス在住14年目に突入したフリーライター。フード及び子ども関連誌を中心に幅広く執筆活動を続けている。2児の母。最近は特に興味があるのはアメリカの肥満問題、食育、セレブリティの環境問題への貢献など。ホームページ:http://yukaritravis.tripod.com/


              カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              エコロジーおむつ
              0
                『各国エコロジー事情』
                  文・写真:ツムトーベル由起江(キール近郊・ドイツ在住)

                エコおむつ

                 オムツでエコロジーといえば、まず思い浮かぶのが「布オムツ」。でも「紙オムツ」でもエコ商品になれる!と果敢にチャレンジしているのがMOLTEX ökoというこのオムツだ。さて、どこがエコロジーなのかというと…?

                 パッケージを開けてまず目につくのがオムツの色。真っ白ではなく、いかにもナチュラルな薄茶色。このオムツの生産工程では、ダイオキシン発生の原因である塩素系漂白剤を一切使わず、また漂白工程自体も最低限におさえているというのがその理由。ゴミ処理時に有害物質が出ることもなく、工場廃水への環境負担も減らす工夫なのだ。

                 さて、肝心の原材料はどうだろう。MOLTEX社によれば、50%以上がパルプなどの再生可能な資源とのこと。この再生可能な資源とは、木材や植物性油脂など適切な生産管理を行えば継続的に入手できる資源のことで、原油などの枯渇性資源とは対極をなす。特にパルプについて同社は、森林の維持管理を適切に行う認証を受けた生産者からのみ仕入れるという力の入れようだ。

                 また、このオムツの大きな特徴は、生分解できる部分が多いこと。カバー部全体と吸収部のジェルの2割、そしてパッケージも、バクテリアや微生物によって最終的に水と二酸化炭素に分解でき、有機ゴミとして処理できる材質なのだ。他社のビニール製パッケージと比べても遜色のない外袋は「空になったら、有機ゴミ用袋としてご使用下さい。このままコンポストに捨てても数週間で分解されます」との表示つきだ。

                 ひとつだけ残念なのは、このオムツを使用後、有機ゴミとして処理できないことだ。それは、生分解できる材質の使用がまだ100%に至っていないため。この辺り改善の余地はないのか同社広報に尋ねたところ、同様の質問がよくあるそうで「もちろん最終的目標は有機ゴミとして処理できるオムツを開発すること。お客様からも叱咤激励を受けており、依然開発に努力を重ねている」という返事がかえってきた。「環境にやさしく」を徹底するドイツ自然派ママのお眼鏡にかなう画期的なオムツが登場する日もそう遠くないのかもしれない。


                ≪ツムトーベル由起江/プロフィール≫
                レポート・翻訳・日本語教育を行う。1999年よりドイツ在住。NHKラジオジャーナル、MAGAZINE ALCなどで、ドイツの社会面から教育・食文化までレポート。ドイツ人の夫、6歳の長男、3歳の長女、1歳の次女とともにドイツ北部キール近郊の村に住む。趣味は本屋や図書館で楽しいドイツの絵本を探すこと。
                カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                「雨水の利用」
                0
                  『各国エコロジー事情』
                    文・写真:あやこ(シドニー・オーストラリア)


                   オーストラリアは今、全国的に深刻な水不足に悩まされています。ニューサウスウェールズ州では、約8割が干ばつに見舞われていて、穀物や野菜の栽培、家畜の飼育を断念せざるを得ない農家もあります。

                   幸いシドニーでは、十分とは言えないまでも、時々雨が降ります。しかも降る時は狂ったように一週間ほど雨が続くこともあるのですが、同じ日に貯水池のある地域にはまったく降っていないこともあり、全体としては相変わらずの水不足が続いているのです。

                   そこで恵みの雨を少しでも無駄にしないよう、「レインウォータータンク」というものを家庭に設置することが全国で奨励されています。レインウォータータンクは、水道水が普及していない地域の家庭では、長年愛用されています。大きさは高さ3m、直径5〜6mはあるでしょうか、それを縦にした状態で、新品のタンクがトラックに積まれて運ばれているのを地方で見かけたことがあります。しかし、最近は都市部の住宅にも設置しやすいよう、いろいろな工夫が施されています。レインウォータータンクといえば、通常スチール製やプラスチック製のものが主ですが、最近では住宅の床下に設置できる柔軟性のあるゴム製のものも登場しています。大きさもさまざまで、軒下にすっぽり納まる、省スペース型のものもあります。

                   雨水の収集方法は次のとおり。屋根に降る雨が、雨どいにつながっているパイプを通ってタンクに流れ込みます。このパイプの入り口にはフィルターがついており、木の葉や虫がタンク内に侵入しないようになっています。タンクにはポンプ機能がついていて、直接ホースをつないで庭の水撒きや洗車はもちろん、タンクからの配水管を整備することにより、トイレやシャワー、洗濯など家庭内のさまざまな場面で雨水を利用することができます。タンクの水を使って、ペットのワンちゃんを芝生の上でシャンプーしながら、同時に芝にも水撒き、などということもできるのです。

                   許容量、配水管の整備等の規定を満たしたタンクを家庭に設置すると、タンクの費用の一部が水道局から払い戻されることになっています。そして水道局では、水をなるべく使わない洗濯機や食器洗い機を購入するよう推奨しています。オーストラリアで売られている新品の洗濯機や食器洗い機には、「A」のマークがついたシールが貼られていて、その家電が消費する水の量をわかりやすく示しています。Aの数が多ければ多いほど、水の消費量が少ないのです。

                   家庭での水道水の使用が減れば、水道局へ支払う水道代が少なくなり、数年で元が取れるとはわかっていても、タンクの設置には投資が必要です。そのため、いざ購入となると、なかなか決心がつかない家庭が多いように思います。家庭でのスプリンクラーの使用、水道水の出る蛇口にホースをつなげての洗車、水打ちが禁止されて久しいオーストラリア。各家庭にタンクが普及し、夏の暑い日の夕方に、ほてったコンクリートの地面にタンクの水をホースでたっぷり撒いて、涼を求める人々の姿が見られるようになる日が、いつかはやってくると信じています。

                  節水型洗濯機
                  5つ中4つの「A」マークがついている、我が家の洗濯機。全自動型洗濯機よりも、ドラム型洗濯機の方が水の使用量が少ないそうです。ちなみに、洗濯機の左側についているシールは、電力の使用量を星マークで示したもの。

                  ≪あやこ/プロフィール≫
                  シドニー在住。通訳者・翻訳者。月末になってやっとお湿りがあったものの、先月も平年の3割ほどしか雨が降らなかったシドニー。実は今、外では雷が鳴っています!都市部だけでなく、どうかダムのある地域にも雨が降りますように!
                  カテゴリ:『各国エコロジー事情』 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  | 1/1PAGES |