皇帝やブラームスも愛した岩塩?(オーストリア)
2007.10.10 Wednesday | by chikyumaruz
文:パッハー眞理 (ウィーン・オーストリア )
オーストリアの一般家庭で欠かせない調味料は、やはりバード・イシェル産のハーブ入り岩塩ではないか?
ローズマリー、バジル、フェンネル、コリアンダー、タイム、パセリ、月桂樹、などの7種類のハーブを含んだ調味料は、サラダをはじめとして、煮込みにもよし、中華の炒め物にもよしで国際色豊かな全ての料理と相性がいい。
ザルツブルグ近郊のバード・イシェルには岩塩の鉱脈がある。塩分を含んだ鉱泉を利用したオーストリア最古の湯治場だ。ヨードの濃い塩がとれる。そして岩塩を含む飲用温泉水が出るため、"飲む温泉地"としても知られている。もちろん、水着使用なら温泉につかるのも結構だ。
この土地はフランツ・ヨーゼフ皇帝が彼の生涯の殆どを過ごした事で有名だ。皇帝は別荘を建て、皇室専用のチャペルも作らせた。皇帝の行くところには貴族ありで、一帯には優雅な雰囲気がかもし出されていた。また作曲家ブラームスも弦楽五重奏曲第2番,クラリネット三重奏曲などの名曲をこの地で作った。
バード・イシェル物語という私が今回参考にした文献は大ミスをおかしていました。私も首をひねっていましたが、本当に彼はこの地で交響曲は書いていませんでした。さっそく訂正しておきましたよ。ありがとうございました!
私はここ何年もこのハーブ入り岩塩を愛用をしていて、切らすことがない。日本に帰国する際にも必ずトランクに何本かしのばせて行き日本滞在中に料理するときはこっそり利用している。皆に好評である手料理だが本当は私の腕がいいのではなく、7種類のハーブ入りの塩のおかげなのだ。でも家族、友達には調味料のことは特に披露していない。せめて、日本では『オーストリア郷土料理の達人』と思わせておこうではないか。
≪パッハー眞理(ぱっはーまり)/プロフィール≫
ウィーン生まれで東京育ち。ピアノ教師兼ライターとしてウィーンに暮らす。とうとう海外生活は33年目に突入。日本にいた時よりもはるかに外国暮らしが長い。毎日愛犬コッカースパニエルと自然の中を散歩して気分転換をはかっている。UCC上島珈琲、新卒OLを元気にするサイトの特派員もつとめホットな話題を提供している。オーストリアプレスクラブコンコルディア会員。著書 『アウガルテン宮殿への道』ショパン刊がある。