日本大好き!ポーランド人(ポーランド)
2010.04.22 Thursday | by chikyumaruz
文・写真:スプリスガルト 友美(ポーランド・ポズナン)
ポーランド人に親日家が多いと知ったのは、私がまだ大学生のときのこと。大学でポーランド語を専攻していたのが縁で、ポーランドの大学で日本語を学ぶ学生と知り合ったのだ。ポーランドに日本学科があることも驚きだったが、その日本学科が3つの大学に設置されていると聞いてさらに驚いたのを覚えている。
私が住んでいるポズナンには、その日本学科のうちのひとつがあるので、何人かの学生と知り合ったが、どの学生も日本への愛(?)にあふれていて、しかも私の知らないようなマニアックなことまでよく知っていた。
結婚してポーランドに住み始めてからもうすぐ8年になるが、ほかにもあちこちで“日本”を見かける。柔道、剣道をはじめとする武道人気もそのひとつ。ポーランド人である私の夫も、子どもの頃から空手や柔道、合気道といった武道を習ってきたようで、今でもその武道熱は冷めてはいない。
道端で見かけた合気道稽古勧誘の看板
あるショッピングセンターのホールで行われた合気道演武
夫の武道本コレクションの一部。よく見ると、『忍術』という本が…
夫の武道雑誌コレクションの一部。全て日本語のタイトルなのが面白い
またこちらに来てから、ポーランドのブログサービスを使って、ポーランド語でブログを書いているのだが、1週間のうちに何通ものコメントやメールをもらう。以下、もらったコメントに対する私の感想の一部をご紹介しよう。
「アニメやマンガを見てから日本を好きになった」(大半がこのコメント!) → アニメ・マンガ人気のすごさに改めてびっくり。
「日本人に生まれたあなたがうらやましい」 → ヨーロッパ人に憧れる日本人も多いことを考えると、皆ないものねだりなんだな、となんだかほっとする。
「そんなに素晴らしい国に生まれていながら、どうしてわざわざポーランドなんて国に来たの?」→ ポーランドだって素敵な国なのに、そんなに自分の国を悪く思わなくても……。
「日本ではポーランド人男性は人気ある?どうやったら日本人女性と結婚できる?」 → そんなことを言われても……。
ここ数年は日本料理(特に寿司)も人気のようで、ポズナンの中心地だけでも10件ほどの寿司屋ができた。店名も「サカナ(魚)」、「ハナ(花)」、「ゴコウ(後光?)」など、様々な日本語が並んでいて面白い。スーパーでも醤油や海苔、わさび、すし酢、寿司用の米(少し割高)、巻きすなどが売られているところを見ると、自分で寿司作りに挑戦する人も多くなっているのかもしれない。
ちなみに私の夫も、子どもの頃偶然家にあった、あるポーランド人男性の日本滞在記を読んで以来、日本に興味を持ち始めたとのことで、大学では民族学、それも日本を専門にし、今では大学で日本文化や日本の生活について講義をするまでになった。夫と話していると、自分がいかに母国のことを知らないかを感じる。
夫が日本に興味を持つきっかけになった本。『桜咲く国を散歩』というタイトルで、なんと1966年発行!
『桜咲く国を散歩』の中身
日本で4月といえば始まりの季節。日本のことをもっと知りたいポーランド人をがっかりさせないためにも、もっと自分の国について勉強しようかな。
ポーランドのショッピングセンターで見つけた梅酒
≪スプリスガルト友美(すぷりすがると・ともみ)/プロフィール≫
東京生まれのフリーライター。大学でポーランド語を専攻した時からの運命だったのか、ポーランド人と結婚し、2002年よりポーランド在住。日本文化を研究する民族学者の夫と、1歳半の娘と共に、ポズナンで暮らす。ポーランドについてより多くの人に知ってもらおうと、ホームページ(友美とヤツェクの宝箱)やブログ(poziomkaとポーランドの人々)を利用しながら、ポーランドに関する情報を幅広く発信している。